夢部屋

□*いもうと、4
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「…ということみたいです」
と、説明を終えた滝夜叉丸。


「「………」」
作法委員会の皆は沈黙。

名無しさんと同級の藤内は下を向いたままだ。同級たちが落ちていった姿が蘇るが、自分も落ちたとは言えない。

「僕に穴を埋めろというなら、落ちたあいつらも一緒に埋めますからね」
と、心底嫌そうな顔で怖い事をいう喜八郎。

「すみません、立花先輩…。同室がご迷惑かけまして…って立花先輩!?」
本人ではなく滝夜叉丸が謝る。可哀想だからあと1回追加で自慢話聞いてやろう。
そんなことを思っていたが、委員長の立花仙蔵が怒りで震えていた。

「綾部…。いい加減にしろッ!そんなに妹が大事ならお前の掘った穴にでも入れておけッ!」

こんなに人を巻き込んでと胸ぐらを掴み叱った仙蔵だが、逆に喜八郎はああ、と思い付いたような顔をした。



「それいいですね。もし埋めるような時は僕も一緒に名無しさんと埋めてください」


にたりと笑った喜八郎に、皆背筋が凍った。


(名無しさんでも落ちないのに、それに引っかかるやつなんて名無しさんの近くによる権利さえない)


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