夢部屋

□*まだこどもですから
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「で.そのとき先輩たちがさ、…」

くすくすと笑いながら、竹谷の話をとなりで聞く名無しさん。

「……、名無しさんってさ、彼氏いるの?」
(いきなりすぎたか?)

名無しさんは首を横に振る。

(おほー。これはチャンスかも!ついに俺にも春が!!)

「私、そういうの全然で。好きな人もいないし、…まだこどもですし」

少し小柄なのを気にしているのか落ち込むようす。

「そんなに可愛いのに?男ならほっとかないでしょ!…俺なんかさ、っていいんだ、俺の話なんかッ」
(自分で言ってて悲しくなる…)

お年頃の14歳、竹谷八左ヱ門。彼女だってほしい。

「竹谷先輩の彼女さんは、どんな方なんですか?先輩の話聞きたいです」
「………。」

にっこり笑顔の名無しさんに、何も言えず笑顔で返すしかない。

「こっちだー!!」
「「…!?」」
2人の目の前をどこからか飛び出してきた神崎左門が通り過ぎる。

「あ、左門!だめ!」
「お、名無しさんじゃないか!」

名無しさんは走り去ろうとした左門を背中から抱きしめて止める。

「またどこか行く気でしょ?ほら、一緒にかえろ?
竹谷先輩、今日はありがとうございました!またお話してくださいね!」
ニコリと竹谷に微笑みお辞儀をして左門と手を繋いで学園内に入って行った
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