夢部屋
□*はつでーと
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「どういうことか、話してみろ。」
皆は正座し竹谷を囲む。
囲まれた竹谷も正座し、観念したかのように話はじめる。
「後輩に好きな子ができたんだ…」
『『おほー!』』
(俺のセリフ…)
「委員会の手伝いをしてくれる、三年生の子なんだけど、女装用の小物を買うのを理由に町に誘ったんだ。そしたら明日行けることになって…。甘味屋もあるから行きたいとも言われてさ。」
最初は渋々話してたが、彼女を思い出してくうちに頬が緩む。
「やったじゃん、ハチ!頑張ったね!」
笑顔で友の恋を応援してくれる兵助。こいつに相談してよかったと心から思った。
「そうかそうか…、ついにハチもねぇ…。だがしかし!これからが本場でだ!まだ成功とは言えない!!
明日は皆で見守ろうじゃないか!!」
と、この場をしきる三郎。
『『おー!!!』』
乗り気な仲間たち。
「え、えっと、ちょっと待って。まじで待って。着いてくんの?いらないからな!そーゆーの!ほんとにッ!!」
邪魔だけはされたくないが、彼らを止めるのも苦難。竹谷はひとつ溜息をついた。
「名無しさんのことだけ考えよ…」