夢部屋

□*はつでーと
4ページ/6ページ


小間物屋では、華やかしいものから可愛らしいものまで置いている。

「こんなにあると迷っちゃいますね〜」
悩んでる名無しさんをみると、やっぱり女の子なんだな、と微笑んでしまう。

「あ、これ先輩に似合いそう!」
と竹谷の顔の傍に簪をあてる。
「!?あ、そうか?」


小間物屋で選ぶとどうしても近くなってしまう。
(そうだった…俺のを買う話だっけ。)
名無しさんとのデートのことで頭いっぱいになり、内容なんて忘れていた。

「なぁ、名無しさん。こっちはお前に似合いそうだな。」
ニコリと笑う八左ヱ門。名無しさんの髪に当てながら満足そうに頷いた。

「これも買おう。今日付き合ってくれたお礼だ」


「え!?あ、……ありがとうございます…」
顔を赤らめる名無しさん。

(さっきのって、竹谷先輩と、色違いだ)




「やるじゃん、ハチ」
「見てるこっちが照れるよ」
小間物の向かいでコソコソと話しながら商品を見ているのは、女装した兵助と雷蔵だった。

ちなみに、腕を組んでたカップルは三郎と勘右衛門。

竹谷が思っている以上に近距離で観察していた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ