夢部屋
□*はつでーと
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小間物屋では、華やかしいものから可愛らしいものまで置いている。
「こんなにあると迷っちゃいますね〜」
悩んでる名無しさんをみると、やっぱり女の子なんだな、と微笑んでしまう。
「あ、これ先輩に似合いそう!」
と竹谷の顔の傍に簪をあてる。
「!?あ、そうか?」
小間物屋で選ぶとどうしても近くなってしまう。
(そうだった…俺のを買う話だっけ。)
名無しさんとのデートのことで頭いっぱいになり、内容なんて忘れていた。
「なぁ、名無しさん。こっちはお前に似合いそうだな。」
ニコリと笑う八左ヱ門。名無しさんの髪に当てながら満足そうに頷いた。
「これも買おう。今日付き合ってくれたお礼だ」
「え!?あ、……ありがとうございます…」
顔を赤らめる名無しさん。
(さっきのって、竹谷先輩と、色違いだ)
「やるじゃん、ハチ」
「見てるこっちが照れるよ」
小間物の向かいでコソコソと話しながら商品を見ているのは、女装した兵助と雷蔵だった。
ちなみに、腕を組んでたカップルは三郎と勘右衛門。
竹谷が思っている以上に近距離で観察していた。