夢部屋

□*はつでーと
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「何だか、私のまでありがとうございます」

「いや、いいんだ。こちらこそ選んでくれてありがとう。」

お互いに笑顔をむけ照れくさそうに歩く2人。
くっつきそうでくっつかない距離。

「あれじゃないか?名無しさんが行きたがってた甘味屋!」
店の中はもう賑わってるようだった

「お団子とあんみつください」
2人分の席が空いていてそこに通される。
中は若者が多いような気がする。


(………。)


「あ、あの…竹谷先輩?」
「ん?」


「あれって……
先輩の同級生の方達ですよね?」


「ん?ああ、違うよ。全然違う。全く知らないよ。あんな連中は。」
竹谷は俯きながら、目線を合わせず遠い目をしながら答えた。


名無しさんと竹谷の後ろでは、5年生4人が知らぬ顔で団子を食べていた。

「おばちゃ〜ん、団子あと3つ追加ね!」
「勘右衛門、食べ過ぎじゃない?」
「はい、三郎。お茶」
「ありがとう。兵助は豆腐買えたのか?」


「はぁ〜。」
竹谷は溜息をつく。

「はい、先輩どーぞ?」
「え!?」
竹谷はこの状況に二度見してしまった。
「あんみつも美味しいですよ」
と名無しさんが、俺の憧れるデートでしたい事ランキング上位に入っている、いわゆる、あーんしてくださいってやつを今!まさにしているのだ。

「名無しさん…、パクッ。美味い…」
感動していると、横からそんなに美味しかったですか?と聞かれてしまった。そして後ろからも、チッッという舌打ちが聞こえた気がした。
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