夢部屋
□*捕まえたい
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やっと学園についた。
帰りの知らせを伝え門を叩く。
すぐにギギッと音を立てながら中から門が開いた。小松田さんだろうか。
「おかえりなさいまし、文次郎さま」
片手はほんのり赤らめた頬に添え、どこぞのお嬢さんかと思うほど''しおらしい''を演じる名無しさん。
「……。」
それを見た文次郎の顔は、無、そのもの。そのまま何事も無かったかのように歩きだした。
「何か突っ込んだらどうだ」
と2人の様子に呆れながら仙蔵は門をくぐった。
「やだ…仙蔵さまったら。こんな昼間っからそんな話、いえ、私は朝でも昼でも文次郎さまなら構いませんが……あ、どちらへ?」
文次郎はスタスタと去っていった。