夢部屋

□*いもうと、3
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「最近、名無しさんちゃんのおかげで、七松先輩大人しくなったな」

「ごめんなさい、5年生の皆さんにもご迷惑かけて…」
申し訳なさそうにする名無しさんに皆、そんなことないと励ます。

「まぁ確かに七松先輩には困ってたけどね〜、名無しさんちゃんとこうやって話せないし」
ウンウンと頷く。

「ねぇ、名無しさんちゃんは豆腐すき?」キラキラとした顔で名無しさんの手をとり質問する兵助。
「生き物はどうだ?可愛い小動物を見せたいんだ」と肩に手をやる八左ヱ門。
「お団子は?一緒に行きたいところがあるんだけど」と二人に負けじと前にでる勘右衛門。
「皆で一気に言ったら名無しさんちゃん、困っちゃうでしょ!」と止めに入る雷蔵。
「そうだ、雷蔵の言う通りだ。な、名無しさん?」と後ろから抱きしめる三郎。

「ちょ、ちょっとぉ〜、待ってください…」
こんなに囲まれ、(三郎には抱きしめられ)顔を赤らめながらあわあわと焦り出す名無しさん。

そのとき、殺気のようなものを感じた。

「いけどんアターックッッ!!!」


『『ッ!?』』

名無しさんの周りから皆一瞬で距離をとる。殺人級とも言えるバレーボールが飛んで行った気がした。早すぎてボールなのかもわからない。


『『七松先輩…』』


見上げた先には屋根に小平太が立っていた。
「大丈夫か?名無しさん?」
ニカッと笑い名無しさんのもとに降りてきて、ガシガシと頭を撫でる。
その周りで身構える5年生ら。
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