夢部屋

□*まくら
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「大丈夫だよ。よく寝れた?」

と、ちょっとからかってみた。


「〜〜〜ッ…まだ寝足りないッ!」

更に顔を赤くしたと思えば、隠すようにまた名無しさんの胸に顔を埋めた。


「ちょッ、ちょっとハチ!?」


「……おやすみ」


照れ隠しなのかな?
でもこの状況は私も結構恥ずかしいんだけどな。
胸に顔埋められてるんだよ?

そんなことを思いつつ、ハチの頭を撫でる。



「…名無しさん」

「なーに?」


呼びかけに応えたとき、先ほどまで見ていた天井がハチによって遮られた。

いつもより真剣な表情で、どこか知らない男の人のようなハチ。

こんな彼を私は今まで見たことがなかった。

私の頭の真横に肘をつき、空いた片方の手で私の頬を撫でる。

その手の仕草が暖かくて、気持ちよくて目を細めてしまう。

彼は私に口吸いをした。


ハチがゆっくり離れる。

「そんな顔するなって」

そう言うともう一度重ねてくれた。


物足りないような顔でもしていたのだろうか。今日は朝から恥ずかしいことばかりだな。

まさかハチとこういうことするなんて思わなかったとか、なんでこうなってるんだろとか…1年生のときは可愛かったなーなんて昔の思い出まで蘇ってきた。
頭の中がぐるぐるする。

起きたときは照れてたくせに…。

目元やおでこにまで口付けてくるハチ。

なんだかくすぐったい。

「ふふ…や、やめて、…あはは」

「名無しさん!?」

「…勘ちゃんったら〜ッ、やめて」

突然笑い出す名無しさんに驚き、勘右衛門の名を呼べばハッと思い出したかのように後ろを振り返る。
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