夢部屋

□*Web拍手
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[食満留三郎]


「あー、いい天気だな」
彼は部屋の前で腰をおろし空を眺めている

「…うん。」

「今日は委員会もないし、ゆっくりできるな?」

「…うん。」

「? どーした?さっきからうんしか言わないが」
彼は心配したかのように私の顔を覗いてくる。

「あのね、……恥ずかしいんだよ!!!」
「なんだ、そう照れるな」
彼はケラケラ笑う

通りすがりの文次郎は「忍びたるもの…!」と何やら説教を始めそうだったが、仙蔵に連れて行かれ、「私も混ぜてくれ!」と走ってきた小平太は体育委員会の後輩たちに抑えられ、他の学年たちは関わらないよう、見ない振りを決め込み早々と通り過ぎていく。

そんな私は留三郎が胡座をかき、その上におさまっている。彼は後ろから抱きしめ何故か勝ち誇ったかのようにドヤ顔である。

「柔らかくて、いい香りがするな」

そう優しい声で愛おしそうに抱きしめられると、もう何も言えない。

きっと私の顔は茹でたこ状態だ。


(……やっと、手に入れたんだ。暫くは自慢してもいいだろう。)



***

(伊作が部屋に入りたそうに、陰からこちらをそわそわと見ている…!)

(…気づかない振りをした。)
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