夢部屋
□*もしも
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「あ〜もう…。私も男になりたい」
はぁと一つため息をする名無しさん。
「そんなに落ち込まなくても。名無しさんはいい忍になるよ」
今日は実践の為に裏裏山にきている。私とペアを組まされている不破雷蔵が励ましてくれた。
「ありがとう、雷蔵」
お礼を述べると彼は微笑んでくれた。
「今日は名無しさんと組めてよかったよ」
ありがとうと今度は雷蔵がお礼をいう。
「え?私なんかで良かったの?」
木の影に隠れ周りを観察しながら話していた2人だが、驚きのあまり勢いよく振り向いた。心配そうに彼の様子を伺う名無しさん。
名無しさんは伍年のくノ一だが、今日は同じ伍年の忍たまたちに混ざって授業だった。
他のくノ一は行儀見習いだったり、花嫁修業だったりと、本格的にくノ一としての忍を目指している名無しさんとは違う。
実践を踏ませようと忍たまたちと度々合同にしてもらっていた。
だが、やはり男と女。
体力や力に差が出てしまう。
女は女なりのやり方はあるのはわかっている名無しさんだが、こうも差が出てしまうと自信が持てなくなってきた。
「名無しさんは勉強家だからね。知識は豊富だし、技術面では他の忍たまにも劣らないよ。荒々しさもないから忍には最高だって皆思ってるよ」
あの三郎も言ってたとくすっと笑って教えてくれた。
「ここまで来れたのも名無しさんのおかげだからね」
まさかそう思ってくれているなんてとつい口元が緩む。はにかむと元気でたっ!と意気込む名無しさん。
そして作戦通り目的地へ向かう。