それがあなたの夢ならば
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「フラン……兄……」
インターホンが鳴り、ドアを開けるとそこには星花が息を切らせていた。
「星花ちゃん?」
おかしい。なぜ、彼女がここにいる。
さっきあんなに傷つけてしまったというのに。
もう二度とその姿を見るだなんてことが叶うはずがないと思っていたのに。
疑問が次々に浮かんでくるが、ひとまずを部屋へ通す。
「私、考え直した。……フラン兄、あんなこと言ってごめんなさい。フラン兄はみんなのことを考えて言ってくれたのに」
彼女は涙を必死に堪えているようだった。
以前はこんな表情を見せることなどなかったのに。
本当に、こんなに大きくなってしまって……。
「俺さ、イヴァンに頼まれてたんだ」
「頼まれてた?」
星花は、全く検討がつかないと言った表情で首をかしげている。
そんな彼女に、俺は懐かしい気持ちになりながら語り始めた。
「ここに来る前、俺は俺の家……つまり、星花ちゃん達の言うフランスにいたんだ。そこは俺みたくすごく綺麗なところでね……っていうのはまた今度にして、本題は俺とロシア……、イヴァンとの約束について話そうか」