それがあなたの夢ならば

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星花が家に帰ると、さっきまでの笑顔をすっと消した。

やっぱりアーサーはあのことを話したんだな。
あれは絶対にイヴァンの事だろう。
ならば、いずれ話さなきゃならない。
俺自身のことも。

正直、今まで兄として慕ってくれている彼女にこんなことを打ち明けるのは辛い。
ずっと嘘をつき続けていたんだ。もしかしたら、俺は嫌われるかもしれないな。

二年前、初めて会ったというのはもちろん嘘。
喧嘩したのは事実だが、少し会話の内容が違う。
なぜならもっと前からあの2人のことを知っていたからだ。

他にも、星花のクラスメイトであるアルフレッドやイヴァンのクラスメイトの菊の事だって。他にもたくさんいるんだ。この学園には。
俺らと同じ存在が。

この学園、実は裏では国のための学園とも呼ばれている。
それを知っているのはもちろん一部の人間のみ。
知らないのは普通の人間だ。

この学園に星花を入れてはいけなかったのかもしれない。
そうすれば星花はもっといい人生を歩めたかもしれない。
こんな面倒なことに巻き込まれずに済んだかもしれない。

己の失態に小さくため息を着くと、俺はそのまま寝転がった。


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