それがあなたの夢ならば

□9
1ページ/6ページ

「おっはよー!星花ちゃーん」
「あ、フラン兄おはよ!」

久しぶりに朝から学校でフランシスに会った。
あの話をした日から数日が経ち、今日は文化祭当日。
みんなは夏休み中に準備をしていたようだが、私はまぁ、普通に無理だった。
なので、いつの間に準備が終わったのかと正直驚いている。
私なんて企画すらよく覚えてないのに……。

それはともかく、なぜ朝からフランシスと共にいるかと言うと、それは昨日の出来事がきっかけだった……。

〜昨日の放課後〜

「星花ちゃん!明日文化祭じゃない?お兄さんと一緒にまわろうよ〜」

フランシスは気持ち悪い笑みを浮かべながら私のクラスへやって来た。

「気持ち悪っ……。って、明日文化祭ぃ!?」
「え、そうだよ?知らなかったの?……気持ち悪いってそんなひどい……」

少し、しょぼんとしているフランシスを放っておき私は日程を確認する。
そこには紛れもなす明日が文化祭であることが記してあった。

「うわ、ほんとだ」
「だから言ったじゃない」
「あ、でもフラン兄とは行かない。イヴァンと行くから」

そう言うと心底悲しそうに言った。

「じゃあイヴァンも一緒でいいからさぁ〜」
「女の子と一緒に行けばいいじゃん?」

私はてっきりそうすると思っていたので言った。
すると、またも悲しそうに言った。

「それがさぁ、みんな他の子と行くーって、俺振られちゃって……。星花ちゃん慰めてー」
「はぁ……。はいはい、よしよし」

この人のこういう所が本当にだめだと思う。
正直、幼馴染であるのが恥ずかしく感じてしまうことも……。
というのは少し言いすぎか。

「じゃあ、俺も一緒に居ていいよね!?」
「何でそうなった!?」
「えぇー、いいじゃん」

その後、さらに泣きつかれそうになったので私は仕方なくOKした。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ