イベント系

□指輪
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「今日もあの人は会議か……」

私はため息をついた。
ここの所、彼は忙しいのかよく家を留守にしている。
その理由を近所の人に聞いてみると、大体が会議や公務と答えるのだった。

「今日は、大事な日なのに。もっと自分のことも大切にして欲しいよ……」

そう呟きながら帰ろうとした間際、彼は現れた。
背の高い、白く長いマフラーが印象的な彼が。

「イヴァン!」
「あれ、名無しさんちゃん。今日はどうしたの?」

どうしたって、そんなの理由はひとつしかないじゃないか。
私が少し怒りながら彼を見つめていると、それに気づいているのかいないのかそのまま、

「ここじゃあ寒いし、中で話を聞くよ」

と、私を家へと通した。
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