奇跡
□厨二病なぼくたち
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ケンジくんの厨二病の深刻さにみんな驚いた。ちなみにぼくも厨二病だ。
かっこいい、とか憧れのない、ただ身体に珍しい症状や苦痛を抱える厨二病。
それによって、周りと自分に線を引いて暮らしている。
「厨二病、誤解してない?」
鋭い目付きに、めがねをかけた美人、ゆみちゃんが手を挙げて、ルサちゃんたちをにらむように言った。
「食事制限したり、あの彼のように『事情がある』タイプの厨二病が、中学生にならなくたって、ありふれているわ」
ミナミ君が、ゆみちゃんに指をさしてにやけた。
「お、お前も厨二病?」
現代の厨二病とは、人とは違うことそのもの。だから今、こうやって問いかけてみたゆみちゃんは、まぎれもない厨二病だ。
「厨二病? まじれすって言うのよ」
ゆみちゃんがイラついたように彼をにらむ。
「ちょっとちょっと、ケンジくんの厨二病のお見舞いに行くための寄せ書きの話するんだから!」
ルサちゃんが、二人を急いで止める。