edelweiss

□我慢
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(彩夏目線)
どうしてこうもタイミングが悪いのだろう。
今日はレッスンがある。しかも久しぶりにかなこちゃんに会える。最近かなこちゃんはソロの活動が忙しくてなかなか会えなくて、会えても仕事で少しだけ。仕事が終わればまた次の現場へすぐに移動しなければならなくて、話す時間なんかなかった。だからどうしても休みたくなくて、数日前からずっとずっと楽しみにしてきたのに。頭は痛いし目眩はするし。でも、レッスンを休むわけには行かない。休めばそれだけメンバーにも迷惑かけちゃうし、かなこちゃんに心配かけたくないし。体調が悪いのを隠してレッスンに行くことにした。

レッスンが始まって最初の方は体調が悪かったことを忘れてしまうくらい集中できていた。でも休憩を挟んで少ししたら気持ち悪さが出てきて集中出来なくなってきた。
「あーりん!もっとメリハリつけて!!」
ゆみ先生に怒られてしまって、なんとか頑張ってついていこうとするが体がついてこなくてそれが悔しくて、焦ってしまった。いつもだったらもっと冷静に出来てたけどかなこちゃん不足で不安定だったのもあったと思う。一瞬ふわっとした感覚があったあと遠くから「あーちゃん!!」と焦ったようなメンバーの声が聞こえて私の意識は消えた。


「ん...?あれ?」
気がつくと仮眠室で寝ていて、やっちゃったと思っていると
「あ、あーちゃん起きた?」
と部屋に入ってきたかなこちゃんがポカリを渡してくれた。
「ごめん、全然あーちゃんの体調のこと気がつけなかった。」
泣きそうな顔で落ち込んだ様子でかなこちゃんはそう言った。
「...やっぱさ、私じゃダメなんだよ、あーちゃんを幸せにできてない。別れ」
「いやだ!!」
かなこちゃんの言葉を遮って言った。
「なんでそんなこと言うの?確かに最近かなこちゃんに会えなくて寂しかったよ。でもさ、それはかなこちゃんが大好きだからなんだよ、昔も今も、これからも、ずっとかなこちゃんしか愛せない!!!!」
勢いで言ってからとてつもなく恥ずかしいことを言ったと気付いた。
「い、いや//ごめん、ちがうの、いや、ちがくないんだけど」
一人で恥ずかしくなってアワアワしていると、かなこちゃんがふっと笑って言った。
「ありがとう。ちょっと不安だったの、あーちゃんの近くにいれなくて、今日もあーちゃんの体調に気付けなくて、守れなくて。イヤだけど、あーちゃんを離したくないけどいっぱい近くにいられる他の人の方があーちゃんは幸せなんじゃないかって。ごめんね、もう言わない。私もずっとあーちゃんだけを愛してるよ」
キスをしようとしてくるから風邪が移っちゃうと拒むが手を取られ、結局キスされた。
「ほら、早く寝て治して次のオフ、デート行こ?眠るまで手繋いでてあげるから。」
そう言うと私の手をにぎり、頭を撫でてくれる。その気持ちよさに目を閉じた。





(おまけ)
レッスンに戻ると...
「わーかっこいい!!笑」
「あんなこと言うんだね、ラブラブじゃん笑」
こっそり覗いていたタ行に弄られる夏菜子ちゃんでした。


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