edelweiss

□寂しい
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(夏菜子目線)
お互いの親が仲良くて、家も向かいで小さいときからずっと一緒だった。遊びにいくにも習い事するのも。私には兄もいるけど弟もいて、詩織には兄がいる。だからか詩織は妹気質で私は姉気質だったから詩織はずっと私に甘えていて、私は詩織を妹のように可愛がっていた。でも、いつからか詩織のことを恋愛対象として好きになってしまっていた。気づいてしまったらどう接したらいいかわからず避けてしまっている。好きだと伝えたい。でも気持ち悪いと思われて今までの関係が壊れてしまうのも恐い。だから伝えられない。でも付き合いたい。そんなことをぐるぐる考えていると、
「かーなこー!!」
いきなり後ろから詩織が抱きついてきた。
「うわ!ちょっ、もーいきなりなに?暑苦しいから離れてよ」
ビックリして心臓が跳び跳ねる。なんとかそれをごまかそうとして、平静を装ったら思ったよりも冷たく言ってしまった。みるみるうちに詩織の目には涙が溜まっていく。
「ねぇ、なんか最近冷たくない?わたしなんかした?」
「いや、そんなこと...」
「ないって言える?」
詩織の目から涙が一粒溢れた。
詩織の涙に弱い私は慌てて
「いや、違うの...そうじゃなくて、」
「じゃあなに?」
「詩織のことが好きなの。だからどうしたらいいかわかんなくて、嫌われたくなくて...」
だんだんと声が小さくなって震える。下を向くと私の目からも涙が溢れた。
「え、うそでしょ?」
「ごめん、そうだよね、無理だよね、忘れて!」
慌てて作り笑顔でそう言うと
「ちがうの夏菜子、聞いて!私も好きなの。ずっと前から。でも、夏菜子はそう思ってないって思ってたから言えなくて、」
「ほんと?」
「ほんと...だよ?」
嬉しくて詩織の胸に飛び込んだ。
顔をあげると自然と顔が近くなり詩織が目を閉じる。私もそれに応じて目を閉じて顔を近づける。
顔を話すと恥ずかしくなって二人で顔を真っ赤にしながら笑った。
「大好きだよ、夏菜子」
「私も、好きだよ」
幸せの余韻に浸りながら二人の世界を作っていた。


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