edelweiss

□不器用
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私には好きな人がいる。えくぼがかわいくて、頑張りやさんで、いつも笑顔で、責任感が強くて、ちょっとおばかなももクロのリーダーである。もう何年も片想いをしている。でも、女子同士で付き合うのは世間的にあまり認めてもらえるものではないし、私の気持ちを伝えても向こうはそれにこたえてくれるとは限らない。今の関係を壊したくはないから、この気持ちは心にしまっておこうと決めた。最初は苦しかったけど最近は夏菜子ちゃんを見るだけで目の保養になるし、声を聞くだけで嬉しくなる。なんなら存在するという事実がもう幸せなんだと思う。もう、夏菜子ちゃんのことなら話し出したら止まらないし誰にも止められ
「..ちゃん...にちゃん!れにちゃん!」
楽屋でぼーっとそんなことを考えていると夏菜子ちゃんに声をかけられた。
「、!なに?」
「どうしたの?ぼーっとして、元気ないじゃん!」
「ん?あーごめん、考え事してた、大丈夫!元気元気!」
「ほんとに大丈夫?れに、すぐ無理するからなんかあったらすぐに言ってよ?絶対だよ??」
「ん、大丈夫!無理してないよ、夏菜子ちゃんこそ、最近忙しいんだから無理しないでよ?」
「っ、高城さんじゃないんだから、大丈夫だし!」
そう言うと夏菜子ちゃんはどこかに走っていってしまった。なんか後ろから見えた耳が赤かった気がするけどどうしたのかな?




やばい、ちょー焦った。あのふにゃっとした笑顔で優しさを振り撒かれたらそりゃぁ誰だってイチコロでしょ!あの優しさは期待しちゃうでしょ!
でも、高城は誰にでも優しいしはじめてあった人とも笑顔で話しかける人だからきっと私のことなんてなんとも思ってないんだろうな、
嬉しさと恥ずかしさに耐えかねて高城さんの元から逃げてきた私は廊下を歩きながらそんなことを考えていた。
「うぉ!夏菜子、どうしたの?」
下を向いて歩いているといきなり玉さんに話しかけられた。
「...wwあー、もしかして、れにちゃん?」
ニヤニヤしながらいきなり図星をつかれた。
「ち、ちがうし!てか、なんでそう思うの?」
「www図星だ!だって夏菜子れにちゃんのこと好きでしょ?てか、顔真っ赤だよww」
いままで誰にも言ったことのない秘密を言い当てられてビックリした。でも、もうバレてるならしょうがないと相談することにした。
「なんでしってんの、、実はね今逃げてきちゃって、戻りずらいんだよね、どーしよーー」
「いや、夏菜子分かりやすすぎ!何年も前から知ってたよ、逃げてきちゃったとか、ばかだねー笑早く戻って告ってちゃえば?」
「そんなん無理だし、それが出来れば苦労してないじゃん...」
「なんで言えないの?」
「...だって、今の関係を壊したくない、、、きっとれには私のことはそういう風に見てないよ、」
「あーー、もーそうやっていつまでもうじうじしてないで早く言っちゃいなさいよ、そんなことしてても何も始まらないし何も終われないよ!」
「だって...」
「だってじゃない!大丈夫だから!ほら!」
詩織に背中をグイグイ押されて楽屋に戻された。
「れにちゃーん!夏菜子から話があるってー」
「っっ!ちょっと詩織!」
「ほら、チャンスだよ?ちゃんと言いなね、」
詩織はこそこそとそう言い残すと楽屋を出ていってしまった。
「夏菜子ちゃん?どうしたの?」
あーー!もう!言うしかないじゃん、どうにでもなれ!
「...あのね、あの、えっと..ずっとずっと、れにちゃんのことが好きでした!!」
「...え?ほんとに?」
「ごめん!迷惑だよね、」
不安になり、れにの顔を見れない。うつ向いて下を向いていると
「ちがう!私もずっと好きだったから、、本当に私でいいの?」
「れにがいいの!」
「そっか、ありがとう.....キス、してもいい?」
れにが聞いてくるから急に恥ずかしくなってしまった。
「そんなこと聞かないでよ//いいに決まってんじゃん//!」
「そっか、ごめんね、」
そう苦笑いで言うとれにの唇が近づいて来た。私は目を閉じると自分の唇をそこに合わせた。


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