edelweiss 中・長編
□verbena 1
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「あんたなんか産まなきゃよかった」
まただ、あれから何年もたっているのにまだ忘れられない。耳の奥に残ってこびりついてる。あのときの私では想像できないほど幸せに暮らしてるのに、良くしてくれる仲間がいるのにどこかで常に恐怖心を抱いて劣等感に苛まれている。少し気を抜けば昔に引き戻されてしまう感覚がある。
「っ、ふぅ、、、なんか疲れたから先部屋行くね」
みんなの前でパニックになるわけにはいかない。迷惑をかけて今の関係を壊したくない。もう、ひとりぼっちになりたくない。だから一人で部屋で布団を被って恐怖に耐える。荒くなる呼吸に苦しくなる。いつの間にか意識は消えていた。