edelweiss 中・長編

□verbena2
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ガシャン、ガタガタ パシッ!
「いい加減にしなさい!いつもいつもいつも!あなたは何回言ってもすぐに迷惑をかける!こんな出来損ない、産むんじゃなかった!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。ママゆるして、いいこにするから、もうしっぱいしないから、もうにどとママにめいわくかけないから」
謝っても謝っても許してなんかもらえなくて、左右の頬を行き来する手、お腹を何度も蹴る足。
首もとを捕まれると薄い下着一枚でどしゃ降りの雨の中に放り出された。家にいれてもらえず扉の前で何度も泣いて懇願した。
いい子にします。迷惑をかけません。優秀になります。
そんな言葉は雷の音にかき消されていく。轟音のなか外で一夜を明かした。朝起きると意識はあるのに体が動かなかった。しばらくすると家の前が騒がしくなった。そのあとのことはあまり覚えていない。気がつくと病院にいて、ベットに寝ていた。沢山の大人が入れ替わり立ち替わり部屋に入ってきて針を指したりしてきた。怖かった。でも、反抗することの方が怖かった。心を殺すことを覚えた。いつの間にか施設にいた。そこで4人に出会った。


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