edelweiss 中・長編

□verbena5
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部屋に行くと泣き叫び、ベットの上で蹲り頭を抱えるれにがいた。私はれにを前から包み込んだ。大丈夫だと言い続けた。れにの腕が顔に当たろうと抱き締めた。後ろであーちゃんは咄嗟に部屋の電気を消して暗くしてくれた。しおりはももかに声をかけて一緒に下に行って温かいタオルと冷たいタオルを持ってきて戻ってくるとしおりは後ろかられにを抱き締めて温かいタオルをれにの目に当てて視界を塞いでくれた。
しばらくするとれには我を取り戻して静かに涙を流し始めた。
我を取り戻したれには私の顔を見ると顔を青ざめさせた。
「...!!かな!顔、...ごめん!私のせいだよね」
言われた瞬間なんのことかわからなくて答えられなかった。ももかに横から小声で
「かなこ、目の横、血出てるよ、ほらティッシュ使いな」
と言われて初めて気がついた。
だんだんとまたれにの呼吸が早くなっていく。
「大丈夫。大丈夫だからね」
こんな言葉しかかけられない自分が嫌になる。
「れにちゃん目あけて、今ここにいるのはだれ?」
「んー、グスッ」
「ほら、目、開けて?答えてごらん?」
「...しーちゃん、、かな、、ももか、あーちゃん...」
「ん、そうだね、怖い人いる?れにちゃんを叩く人いる?」
「...グスッ..いな...い、」
「そうだね、大丈夫。」
大丈夫しか言えなかった私の代わりにしおりがれにを落ち着かせてくれた。
「れにちゃん、お腹すかない?ごはんにしよっか!何食べたい?」
重たくなったこの空気をあーちゃんが明るくかえてくれる。
一人ではどうにもならないこと、一人では力になれないことでもみんなでどうにかする。分かってたつもりだけど今気がついた。
「ん、ズズッ..おなかすいた...」
「ふふっ、そうだね、つくろっか、」
「あ、ももか!変なもの作らないでね...?」
「なっ!失礼な!大丈夫だよ!」
「...んふふっ、ありがとう、」
「「「「どういたしまして!!」」」」

これまでも、これからも共にずっと。


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