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□デート
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今日は大和さんとデートの日。アイドルである大和さんは、外に出ると変装をしていてもバレてしまうこともあるから、お家デート、いわゆる寮の部屋でのんびりと過ごすのだ。彼の部屋に行くと、どうぞと招かれた。

「ごめんね、せっかくのデートなのに部屋で」
「いえいえ……!大和さんもお疲れでゆっくりしたいでしょうし大丈夫です!」
「紡がいい子で助かるよ。ところで、そろそろその“大和さん”ってのやめない?」
「え、いや、でも、大和さんのほうが年上ですし……あと、恥ずかしい、です……」

最後のほうは尻すぼみになり、恥ずかしくて下を向いてしまう。今私の顔は大層赤いことだろう。

「ふーん?」

納得していない、不満だ、とわかる返事が聞こえてきて体が固まる。怒らせてしまっただろうか?
ぐい、と突然顎を掴まれて無理矢理上を向かされる。少し怒った表情の彼と目が合って、私はその目力に圧倒されて逸らせなくなってしまった。

「大和。ほら」
「あ、あのっ」
「言わないとお預けだからな?紡」

うぅ、大和さんはこういうところがずるい。私が逆らえないのを知ってて、こういうことを言うんだ。

「や、やまと……これでいいで、んんっ!?」

小さい声で彼の名を呼ぶと、口を塞がれた。喋るために開いていた唇の間から舌が入ってきて私のを絡めとる。唾液が流し込まれて、くちゅと音を立てた。

「ん、ぅ……やぁとしゃ、っん」
「はっ……はい、ご褒美」

口を離した大和さんは、ぺろりと唇についた唾液を舐め取りながらそう言った。
かっこいいなぁ、そう思いながら私は彼の首に腕を回す。お誘いの合図だ。
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