短い恋のお話。

□かわいい人(仗助)
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『仗助くんごめん!遅くなっちゃった!』

「全っ然!大丈夫っスよー!」



今日は休み。

名前さんと待ち合わせして名前さんの家へ!

付き合い始めてからもう3ヶ月…
純愛をウリにしている仗助くんだって、そろそろちゅーのひとつやふたつ…



『行こっか!』



あぁ、今日もかわいい…!



「はいっス!」



何度めかの名前さんの部屋。
名前さんが作ってくれた昼飯を食べて、ソファに並んで座ってDVDを見る。
名前さんが前から見たいって言ってた映画。
コッテコテのラブストーリー。

なんとなーく、いい雰囲気になって手握っちゃったり。
そっと肩抱いちゃったり。

…してたんだけど…

気がつけば俺に掛けられたブランケット。
あれ?



「はっ!俺!」



寝てた!
いつの間に!?



『あ、仗助くん起きた?』



名前さんがニコニコ笑いながら紅茶を持ってやって来る。



「ごめんなさいっス!俺、いつの間にー!起こしてくれて良かったのにー!」

『私こそごめんねー!男の子にラブストーリーなんて、退屈だったよね!』



カップをローテーブルに置いて、俺の横に座る。



「どのくらい寝てた?俺…」

『うーん、1時間くらいかな?』

「そんなに!?」

『仗助くんには悪いけど、すっごくいい映画だった〜。キスシーンの描写とか、本当にキレイで…』



夢見がちな表情でうっとりしてる名前さん。
かわいい…
俺の鼓動が早くなる



「…名前さん…」



俺の呼びかけに俺の目を見る



『仗助くん…?』



ゆっくり顔を近づけていく
察したのか少し俯く名前さん



「…好きです…」



そう言って下から掬うようにそっと口づけた

顔を真っ赤にしてまだ俯いたままの名前さんに何度も小さなキスを繰り返す



「…名前さん…」

『仗助くん…』



柔らかい唇
ちょっと恥ずかしそうな顔
ヤバいな…
これでやめられる自信なくなってきた…



『…助くん、そろそろ起きてー!』

「…え…何…?」

『すごい幸せそうに寝てたねー!』

「…」



ウソ…まさかの、キスも夢!?

初キス計画、終了…。


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