短い恋のお話。

□空条恋愛相談室
1ページ/1ページ

。。。名前サイド。。。


『最近、仗助くんが冷たいんです…』

承「…お前たち付き合ってるのか?」

『いえ、付き合ってはないんですけど、なんか、今までわんこがしっぽ振ってるみたいに好き好きアピールしてきてたのに…』


想像はつくな。
わんこがしっぽ…か。


承「思い当たる節はないのか?」

『もしかしたら、ですけど…私最近、憶泰くんと仲良くしすぎちゃったかも…』

承「…ヤキモチだな。」

『ヤキモチ?』

承「まだまだアイツも子供だな。名前は仗助をもう少し気にかけてやるといい。男は単純だからな。」

『そっか…わかりました!ありがとうございます!』


それにしても仗助…相手が想いを寄せられてるとわかるようなアピールをするなら、さっさと告白しろよ…


『あー、やっぱり承太郎さんに相談してよかったー!じゃあ、私そろそろ…』


コンコン
仗「承太郎さーーん」


『えっ、仗助くん!?』

承「そういえば仗助も今日来るとか言っていたな…忘れてたが。」

『どうしよう!相談に来たなんて知れたら…』

承「…少し狭いがクローゼットに隠れててくれ。」

『は、はい…』


仗「承太郎さーん、いないんスかー?」

承『今行く、待ってろ。』


まったく世話の焼けるヤツらだぜ。





。。。仗助サイド。。。



仗「承太郎さーーーーん!」

承「なんだ、騒がしいな。」


情けない顔をして、ドカドカと入ってきやがって。


仗「聞いて下さいよぉ。俺、好きな子がいるんっスけどぉ」

承「名前だろ?」

仗「えっなんで知ってるんスか!? まさか憶泰のヤロー!」

承「見てたらわかるけどな。」


バレてないと思ってるのは当の本人だけだぜ。


仗「わかるんですか!さっすが承太郎さん!」

承「で?好きな子がいて、俺に何の用だ。」

仗「それっス!名前、最近やけに憶泰とからんでて…」


やっぱりな。


仗「これまで、もしかして名前も俺の事って思ってたけど…本当は憶泰が好きなんじゃないか…って…」

承「…ならそうなんじゃないか。」

仗「承太郎さん…」

承「名前が憶泰を好きだったら何なんだ?諦めるのか?」


ちょっとハッパかけてやろう


承太郎「好きな女が他の男が好きだと知って諦められるくらいなら本当に好きじゃないんだろう。早く諦めろ。」

仗「…諦められないっス。俺…例え名前が憶泰の事を好きでも…」

承「それなら女々しい事言ってないで気持ちぶつけて来い。」

仗助「はいっス!承太郎さん、ありがとうございました!」


仗助、今のお前はイイ顔してるぜ。






。。。名前サイド。。。


承「悪かったな、狭い所に閉じ込めて。」

『いえ…』

承「聞いたか?仗助の気持ち。」

『はい、ちゃんと。しっかり聞きました。私も…仗助くんに気持ち、ぶつけて来ます!』

承「ふふっ。ああ、そうしろ。」


次に仗助と名前に会う時は良い報告が聞けるだろう。


憶「承太郎さーーーん!俺、どうやら失恋したみたいでよぉ…泣」


…次はコイツか…

やれやれだぜ。


次の章へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ