短い恋のお話。

□リベンジキス(仗助)
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放課後、億泰の彼女を家に送るために遠回り。

億カノ「おっくん、東方くん、また明日ねー!」

億「おわっ!人前で呼ぶなってあれほど言ったのに!」

仗「お、おっくん…(爆笑)」

まさか億泰が彼女からそんな風に呼ばれてるとは!
っつーか、億泰たち付き合って結構たつよな…
あんま想像できねぇけど、ヤル事ヤってんのかな…

仗「なぁ、おっくん、彼女と付き合ってどのくらい?」

億「怒るぞ仗助。こないだ6ヶ月だー、ってアイツが言ってたぜぇ。」

仗「ちゅーとかした?」

億「なんだよ急によ。まぁ、したけどよぉ。」

仗「ちなみに、付き合ってどのくらいで?」

億「1ヶ月かな。」

仗「おっくん、えっちはした?」

億「殴るぞ仗助。えっち…どーだったかなぁ」

仗「とぼけんな、忘れる事かよ。なぁ、いつしたよ!何ヶ月でした!?」

億「い、1ヶ月前に…」

5ヶ月目でしたっつーことか…

億「お前らはどーなんだよぉ。俺らの事聞いたんだから教えろよなー。」

仗「教えることなんかなんもねーよ。」

億「は?」

仗「俺ら、付き合って3ヶ月。まだちゅーすらしてねぇよ!」

億「マジか…」

マジで。

仗助 「おめぇはいつの間にか大人になってたんだなぁ。羨ましいぜ…」

キスすんのがこんなに難しいなんて、思ってもみなかったぜ。

仗「俺は唇すら童貞だぜ。」

億「モテるお前でも難しいことってあんだなぁ。」

『仗助くん、億泰くーん!』

仗「名前さん!もう大学終わったんスか?」

『うん、今日は終わったよー。バイトもないし、仗助くんに連絡しようと思ってたとこだったの!』

そしたら目立つ2人が歩いてたからー、って笑った。

はぁ、今日もかわいい。

億「じゃ、俺は晩飯の買い物があるから先帰るわ。唇童貞くん、また明日な。」

コイツ、バカにしやがった!

仗「おっくん、また明日〜!」

億「次言ったらマジで殴るからなー!」

『ふふっ、相変わらず仲いいね!』

唇童貞は聞こえてねーみたいだな。よかった!

『ねー、億泰くんが言ってたクチビルドーテーってなに?』

そ、そんな笑顔で聞かれても…

仗「えぇっと…」

『クチビルドーテー……あっ//// もう!2人で何の話してるの!?』

仗「ごめんなさいっス!俺たち、健全な高校生男子なもんで…」

歩き出した名前さんの後を追いかける。

『ね、アイス買って公園で食べようよ!』

仗「いいっスね〜。」

ほっ、怒ってなかった!

公園でアイスを食べて
今日一日の何でもない事を話す。
くるくる変わる表情と笑い声
全てが好きでたまらない。

仗「ねぇ、俺たち、付き合ってもう3ヶ月っスね。」

『うん、そうだね。早いね。あっという間〜!』

仗「そっから、唇童貞の話になるんスけど。」

隠して悶々とするのも嫌だし
ちょっとかっこ悪ぃけど…

仗「これまで何回もキスしようとしたけど、いっつもタイミング悪くドアのチャイム鳴ったり、電話鳴ったり…」

キスできたと思ったら夢だったり…

仗「キス…したいなーとか思ったり…」

『あっ、あのね、ほんとは内緒にしとこうと思ってたんだけどね、』

仗「?」

『先週、うちで映画見たでしょ?』

仗「うん。」

『あの時に仗助くん、寝ちゃったじゃない?』

仗「はい、ごめんなさいっス。」

『そうじゃなくて!あの時ね、仗助くんの寝顔見てたら…その…あんまりにもかわいくって…おまけにキレイでしかもかっこよくて…ガマンできなくて…」

仗「?」

『…キス…しちゃった…』

仗「えっ!?」

『ごめんなさい!一回したら止まらなくって、何回も…』

仗「…ふはっ。それであん時、名前さんとキスした夢見たのかぁ。俺ね、あん時夢見てて。念願かなってやっと名前さんとキスできたー!って思ったら、夢だったっつーオチの。けど、ほんとにキスしてたんスね。」

『仗助くん…』

仗「名前さんがキスしてくれたとか…俺、ちょー嬉しいっス!」

俺の寝顔見てガマンできない、って!
グレートだぜ!

仗「今度は起きてる時にして下さいね!」

『////』

顔を赤くして俯く名前さん
デジャブだ…
俺は下から掬うように
そっとキスをした

仗「…やっとキスできたっスね。」

『うん。』

仗「……名前さん…」

それから俺たちは
そこが公園だという事も忘れて
何度も何度もキスをした

『仗助くん…』

仗「名前さん…今度はえっちしましょーね。」

『////ちょっと!』

仗「名前さんがまた待ちくたびれる前に。」

と言ってニヤリと笑う。









億「よぉ、唇童貞。」

仗「ふふん、いつまでも唇童貞だと思うなよ。」

億「えっ!したのかキス!」

仗「驚くなよ〜、実は先週、俺の唇童貞は名前さんにすでに奪われていた!」

億「へっ」

仗「俺が居眠りしてる隙に、な。」

億「ほぇ〜、やるなぁ、名前さん。けどまぁ、童貞である事に変わりはねぇわな。」

仗「…まさか、億泰にバカにされる日が来るとは思わなかったぜ…」

億「まぁ頑張れよ。」

仗「ち、ちくしょー!」


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