わえわえ短長編つめ

□【mbut】虚妄※
1ページ/1ページ


…ごとん。


なにやら固いものが落ちる音で目が覚めた。

昼寝、してたんだっけ。

…それにしては、やけに体が痛い。

吹き抜ける生ぬるい風が頬を撫で、その不気味さを必死に理解しようとする。

意識がはっきりしてくると、耳を劈くような男の声がした。

「起きたね、ウツくん」
どうやら男は3人組らしい。震える脚を無理やり立たせ逃げようとする、が どうやら両手首を固定されているらしい。力を加えるたび長い金属のチェーンが肌に食い込む。

「いまから楽しいことしようか」
そういうと男は自身のチャックを下ろす。ぞくっと背筋が凍り、ここにいてはいけないと脳が危険信号を出している。
「…前から気になってたんよ、君のこと」
「…それに、」
男は左顎で示す。
「保護者も一緒なら安心やろ?」
動揺する視界の隅に映るそれが、自分のよく知っている人物だと気づく。途端に一気に口内が渇き、呼吸が乱れる。
「あっ、あ…?く、くられ先生…」
気を失っているのか、…あるいは眠っているのか分からなかったが、糸の切れた人形のように座り込みこちらの声に反応をしない。
まさか、酷いことはされてないよな…?…血は…出てないみたいだけど。

そんなことを考えていたとき、いきなり男が覆い被さり、着衣を脱がし始める。

「なんなん…っやめろや…」
精一杯の声で反抗するが、首筋にかかる男の生ぬるい吐息によって制止されてしまう。

するすると太い指が太腿を撫で、やがて後孔を弄り始める。
「っあ…!!」
「君は後ろも感じる子かな?」
ぐちゅぐちゅと淫らな水音が反響し、両目を固く瞑った。

「んん…っ、やらっ…ぁ、…」
「あの男の精子塗られて感じちゃったん?」
「あ…っ、せん、せぇの…?」
我に帰り逃げようと身を捩るも、快楽に呑まれた身体は言うことを聞かない。
男の指が乱暴に動き回り、ナカを掻き回す。
それに応えるように声が漏れてしまい、羞恥からか涙が滲んだ。
「んんっ…!…はぁんっ、…っ」


こんなこと…嫌だ。

絶対嫌なのに。

「おじさん、君の処女ほしいな〜♡っつって…」
ゆっくりと、小太りの男の性器が太腿にくっつき、上下に動いた。

腰が…抜けそう。

きもちわるい。きもちわるい。


ぬぷ…、と今まで激しく上下していたそれが侵入してくる。
「あ”ッ…う、嘘…っん」

「ふっは、ウツくんの処女ゲット…♡」
口を押さえて、その気色悪さに、どうしようもない快楽に懸命に耐える。

嗚咽がもれ、押さえていた指の間からは涎が溢れた。

「てかココやらかいのおかしいね?自分で弄ってた??」
ぐに、と肉をもちあげると、結合部があらわになる。
「あ、んあっ…せんせ、せんせぇ…っやだ」
どうしてこんなに辛いのに、こんなに吐き気がするのに。
ただただ口から漏れるのは、媚びをたっぷりと含んだ喘ぎだった。

「あ、イクイクっ…!ナカに出すよ…っ」
「あぅ…っや…」
目を見開き下腹部に熱いモノが流れ込む感覚に思わず喘ぐ。
「はぁ、良かったよ…♡」
男の恍惚とした声にもはや恐怖すら感じなくなり、その場に頽れる。


「あの男の精液で興奮しちゃったの?…妬けるなぁ、ボクだけ見て」
つつ、と太い指で頬を撫でられ、朦朧とする意識の中で酸素を吸い込む。
「ッせ…」

「くられ先生には何も、しないで…しないでください…っ、お願いします…」

僕は無意識に土下座していた。冷たいコンクリートが体を冷やし、涙と涎がそこに零れる。
じりじりとした時間が流れ、やがて男は口を開いた。

「…その分君に代わってもらうけど、いい?」

こくっと頷く。

先生が助かるなら、それで___

「じゃあ、週3でここに来てもらえる?」

男たちが、唇を歪めた気がした。










「あっ、くられ先生、あの、今日は…」
言い出しにくそうにもじもじと発言すると、くられ先生、と呼ばれた男はタイピングの手を止める。

くられはいつもどおりココアの入ったコップを片手にPCに向かって作業していた所だった。

「うん?用事でしょ〜?行ってきなよ、気をつけてね」
優しく微笑んだであろうその人物の目を見ることができず、軽く会釈をして部屋を出る。


学校が終わった、約束の時間。

僕は、いつもの場所へ足を運ぶ。

「あれ、ウツくんかな?」
「今日も相手よろしくするね」




あんなに心を許せるひとに__



…初恋のひとに、僕は何度も嘘をつく。
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ