わえわえ短長編つめ

□【grem】蹂※
1ページ/1ページ



「…失礼します、グルッペンさん」
あれっと首をかしげる。
「…グルッペンさん…?」

しんと静まり返った室内は、部屋主がいないせいかさらに薄暗く感じた。
一週間の出張で部屋を開けていたエーミールは、グルッペンに報告書を提出しようと思い今に至る…本人のいない状況に困惑している。
辺りを見回すなか、ふと目に止まったのはグルッペンの愛用している外套だった。
手に取ってみると、ふわっと甘い珈琲の香りがする。


「…っあ」
そのもどかしさに心臓が跳ねる。

グルッペンさん…久しぶりに会いたいです…。

会って、お声を聞きたい…

「や、あぁ、ぐるさ…来ちゃっ…んっ」
エーミールは無意識に手を伸ばし、皺一つないズボンの上から自身のものを弄る。

「あっ…ん、これ、っなん、か…」
最初はすぐにやめるつもりだったが、膨張を撫でる指先は止まらない。
「だめ…、イっちゃ…っ、」
机に涎がぽたりと垂れる。
「あぁ、あ、」
〜〜っ、と背中を湾曲させると、下着の中にどくどくと射精した。

「…なーにしてたのかな、エーミール君」
背後でグルッペンの声がし、ビクッと肩を震わせる。冷や汗が頬を伝い、一気に顔に熱が集まる。
「はぁっ、んっ…グルッペン、さん…」
重たい口を開く。回らない頭のせいで半泣きになるエーミールを、グルッペンは凝視していた。

「あ、の…ごめんなさい…っ私…こんなことするつもりは」
沈黙。
唐突に、左肩に強い衝撃が加わる。
エーミールは「ひっ」と小さく声を漏らしベッドに仰向けに倒される。
転けた亀みたいで滑稽だ、と心のどこかで思う、そんな余裕はまだあった。

グルッペンはエーミールをベッドに押し付けるように両手首を拘束した。
ぐり、とエーミールの股間に膝が喰い込み刺激する。
「職務怠慢だ___しっかりと教えてやらんといかんな」

「お仕置きなら_」
その表情に少し期待してしまう。
「酷く、してください」


甘くほろ苦い熱で溶かされる準備は、 もうとうにできている。
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ