CP(若桜)

□1番っ!
1ページ/2ページ

最近、若はずっと真夏。
まなつー今度ここいこー、
まなつーここのご飯美味しいってー、

もう私の事どうでも良くなっちゃったのかな……
真夏の方がいいんでしょ。泣きそう。



そんなことを考えつつ今日も楽屋に向かう。泣きそうだけど無理やり笑顔を作ってはいる。

「まなつーー今度ここのパフェ食べに行こー」
「もう、また?まあいいけど、食べすぎはダメだよ」
「やったー」



無理やり笑顔にしたのもつかの間。
私の気持ちはどんどん下がっていく。
もう…泣きそう

楽屋の端っこのだれもいないソファに座る。三角座りなんかしてると余計気分が落ちてくる。そんな中でもその2人の会話が聞こえてきて。

「ねぇまなつ」

若の声が聞こえた瞬間、涙がこぼれ落ちた。1回出たら止まらなくて1人で誰にも気付かれずに静かに泣く。

若取られちゃう。
そこ行きたいなんか聞いてないもん。
やっぱ私がいっつも遅刻するからかな…もう嫌になっちゃったかな。前は頑張って若に予定聞いて出かけようと声かけたのに「その日まなつとー」とか言われてさ断られちゃうし。

ネガティブな事しか思い浮かばなくて

(こんなに若の事好きなのに。私だけが好きなのかな。)

まだ涙は止まらなくて、止めようと思うほど溢れてくる。ダメだ、迷惑かけちゃダメ。そう思うのにとまらない。

(若。)

そっと心の中で呟く。



知ってる。優しい暖かいこの手。


「玲香。どうしたの」


若の顔なんか見れなくて俯いて涙を流す。
優しく撫でられる頭。優しく撫でられる背中。全部欲しかった温もりで。若の温もり。なのに今は若の顔なんて見れない。真夏が浮かんできちゃうから。


「玲香、顔あげて」


「やだ」


「ゆっくりでいいから。何か嫌なことでもあった?」


「ない」


「じゃあなんで泣いてるの」



答えずにいる。


「寂しかった?ぎゅーしてあげようか?」

「いらない」

「膝くる?」

「いい」

「どしたの。なにして欲しいの」



沈黙。



頭に柔らかい感触。
髪にキスされた。



「しなくていいもん。」




「なにがやだった?」

「何もやじゃない」

「じゃあなんで泣いてるの」

「やだった」




「れーいーか」

「私が1番じゃないの」

「ん?」

「私は若のこと1番に考えてるのに。若のこと1番好きなのに。1番多くの時間一緒に過ごしたいと思ってるし、時間があれば若に会いたいし、若のこと考えてるし。若のこと誰よりも好きなのに。」


「玲香」


「いいじゃん。真夏とご飯いけば、真夏と遊びに行けば、私なんかほっといてもいいんでしょ。1番じゃないんでしょ。」


「玲香」


「もうい「私の1番は玲香しかいないよ」…いよ…」

「玲香との時間は大切にしたいし、玲香のこと誰よりも分かってるつもりだし、なによりも玲香のこと誰よりも好きなんだよ」


「そんな嘘いらない」


「嘘じゃないよ。嘘つかないよ。玲香。」



顔をそっとあげる


「やっと顔見れた、もー泣きすぎ。」

「若のせいじゃん。」

「可愛い」


恥ずかしくなってまた顔を下げる。


「もー、ほら顔みせて」

「や」

「ごめんって。私だって玲香が他の子といるの嫌だったんだよ」

「え…?」

恐る恐る顔を上げる


ちゅっ。




「若っ!」

「顔真っ赤じゃん」

「若のせいっ!!!」

「可愛いなあっ」

「ばかっ!!」



「ふふっ、ほらそろそろ撮影だよ。涙拭いて、行くよ」

「真夏と行かないの」

「こんな可愛らしく縮まって泣いてる恋人ほっとけないでしょ」


心が軽くなった気がした。



「ね、若。さっきのほんと?」

「ん?あ…あぁ、」

「すごい嬉しかったんだけど。」

「いやぁ…まあ…ん」

「わかちゅう」

「その呼び方やめれ」

「えへへ」

「もう…」




別れる際に、

「ね、玲香。玲香が1番だよ。今日家おいでよ、玲香のことぎゅーってしたい、それに、明日は真夏以上にたくさん遊ぼ」

「へへっ!うんっ!!」







やっぱ若月しか。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ