CP(若桜)
□1番っ!
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最近、若はずっと真夏。
まなつー今度ここいこー、
まなつーここのご飯美味しいってー、
もう私の事どうでも良くなっちゃったのかな……
真夏の方がいいんでしょ。泣きそう。
そんなことを考えつつ今日も楽屋に向かう。泣きそうだけど無理やり笑顔を作ってはいる。
「まなつーー今度ここのパフェ食べに行こー」
「もう、また?まあいいけど、食べすぎはダメだよ」
「やったー」
無理やり笑顔にしたのもつかの間。
私の気持ちはどんどん下がっていく。
もう…泣きそう
楽屋の端っこのだれもいないソファに座る。三角座りなんかしてると余計気分が落ちてくる。そんな中でもその2人の会話が聞こえてきて。
「ねぇまなつ」
若の声が聞こえた瞬間、涙がこぼれ落ちた。1回出たら止まらなくて1人で誰にも気付かれずに静かに泣く。
若取られちゃう。
そこ行きたいなんか聞いてないもん。
やっぱ私がいっつも遅刻するからかな…もう嫌になっちゃったかな。前は頑張って若に予定聞いて出かけようと声かけたのに「その日まなつとー」とか言われてさ断られちゃうし。
ネガティブな事しか思い浮かばなくて
(こんなに若の事好きなのに。私だけが好きなのかな。)
まだ涙は止まらなくて、止めようと思うほど溢れてくる。ダメだ、迷惑かけちゃダメ。そう思うのにとまらない。
(若。)
そっと心の中で呟く。
知ってる。優しい暖かいこの手。
「玲香。どうしたの」
若の顔なんか見れなくて俯いて涙を流す。
優しく撫でられる頭。優しく撫でられる背中。全部欲しかった温もりで。若の温もり。なのに今は若の顔なんて見れない。真夏が浮かんできちゃうから。
「玲香、顔あげて」
「やだ」
「ゆっくりでいいから。何か嫌なことでもあった?」
「ない」
「じゃあなんで泣いてるの」
答えずにいる。
「寂しかった?ぎゅーしてあげようか?」
「いらない」
「膝くる?」
「いい」
「どしたの。なにして欲しいの」
沈黙。
頭に柔らかい感触。
髪にキスされた。
「しなくていいもん。」
「なにがやだった?」
「何もやじゃない」
「じゃあなんで泣いてるの」
「やだった」
「れーいーか」
「私が1番じゃないの」
「ん?」
「私は若のこと1番に考えてるのに。若のこと1番好きなのに。1番多くの時間一緒に過ごしたいと思ってるし、時間があれば若に会いたいし、若のこと考えてるし。若のこと誰よりも好きなのに。」
「玲香」
「いいじゃん。真夏とご飯いけば、真夏と遊びに行けば、私なんかほっといてもいいんでしょ。1番じゃないんでしょ。」
「玲香」
「もうい「私の1番は玲香しかいないよ」…いよ…」
「玲香との時間は大切にしたいし、玲香のこと誰よりも分かってるつもりだし、なによりも玲香のこと誰よりも好きなんだよ」
「そんな嘘いらない」
「嘘じゃないよ。嘘つかないよ。玲香。」
顔をそっとあげる
「やっと顔見れた、もー泣きすぎ。」
「若のせいじゃん。」
「可愛い」
恥ずかしくなってまた顔を下げる。
「もー、ほら顔みせて」
「や」
「ごめんって。私だって玲香が他の子といるの嫌だったんだよ」
「え…?」
恐る恐る顔を上げる
ちゅっ。
「若っ!」
「顔真っ赤じゃん」
「若のせいっ!!!」
「可愛いなあっ」
「ばかっ!!」
「ふふっ、ほらそろそろ撮影だよ。涙拭いて、行くよ」
「真夏と行かないの」
「こんな可愛らしく縮まって泣いてる恋人ほっとけないでしょ」
心が軽くなった気がした。
「ね、若。さっきのほんと?」
「ん?あ…あぁ、」
「すごい嬉しかったんだけど。」
「いやぁ…まあ…ん」
「わかちゅう」
「その呼び方やめれ」
「えへへ」
「もう…」
別れる際に、
「ね、玲香。玲香が1番だよ。今日家おいでよ、玲香のことぎゅーってしたい、それに、明日は真夏以上にたくさん遊ぼ」
「へへっ!うんっ!!」
やっぱ若月しか。