CP(若桜)

□取り扱いにはご用心(前編)
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「玲香はやくー」

「まって〜」

「充分待ってるよ…」

「んー」

「もう!あと30秒したら出ていくから」

「え、やだよーいてよー」

「それまでに終わらせばいい話だろ」

「急いでるけどおわんなーい」

「それで急いでるって言えるのかよ…」

私の片付けが終わってからもう5分。
片付けが人一倍…いや何倍も遅い玲香を待つのは恒例行事
一緒に帰る時に限って1番遅いんだからもう。

今までは30秒たっても居てあげたけど今回はもうほんとに知らない




「さーん、にー」

「え!まってよーーー」

「いーち」


ガチャっ




わぁかーーー!なんて聞こえるけど無視無視
いくらまたせたら気が済むのさ

楽屋から出て外で玲香を待つ。
反省するまでもう待たないんだから




10分後


………いや、いくらなんでも遅すぎだろ。何分経ってるんだよもう…世話がやける…

まあもうそろそろで来るでしょ…
もー暑いんだから早くしてよね



更に5分後


……いや流石に遅すぎる…流石の私ももうまってらんない

ほって帰ろうかと思ったけど
優ピーポーな若月さんですから。

ったく…。


楽屋に続く階段を駆け上っていく

何回階段往復させるつもりだよほんとに


楽屋の扉の前に立つ。

扉を開ける瞬間…




ぐずっ…ぐっ…ず



?!



、?、いやまて、ん?なぜ泣き声が聞こえる…?ん?


ま、まさか…、な、な、泣かせた?
え、わたしが!?

え、そんなことある!?
えぇ!?




いてもたってもいられず扉を開く。


咄嗟に口から出る名前


「れ!……いか」


玲香を探す…、あ、いた…あんな狭いとこで…


そこには準備を終え、地面にすわり、足を抱え、顔を伏せ、肩を揺らしてる玲香。






これは…やらかした…。


いやだって、こんだけで泣くとは思わないじゃん!?ど、ど、どうしろと!!
ど、どうする…どうするんだ若月!


と、と、と、と
と、とりあえず、話しかける。



ゆっくり…玲香の機嫌を損ねないように…いやもう損ねてるけど、



「れ、れいかその…あの…先行ってごめん」

「…」


これは…なに言ってもだめなやつ…
ほんとにやらかした…
とりあえず玲香が食いつきそうな話を…



「そのさ!お詫び?っていっちゃあれだけど、ちゅーしてあげるからさ!ね、れいかこっちむいて!」

「……いらない」



……

キスがダメならなにすんの、
ど、どうしよ…



「じ、じ、じゃあ!なにしようか?遊ぶ?家帰ってずっと構ってあげるよ!」

「行かない」



えっ。
家来てくれないの………?


「え、なんでれいか!今日は何も無いからずっとくっつけるよ!」

「行かないって言ってんじゃん!うるさいっ!!!!若月のばかあああ!!!!」

「え、まっ、て!れいか!!」




あああぁぁぁぁあああぁぁぁぁ

どうするんだよこれええ!!!!
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