CP(若桜)
□取り扱にはご用心(後編)
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「…て、事なんだけど玲香ちゃん」
「ん…」
「分かったの?」
「分かんない、分かりたくないもん」
全部話した。若月はちょっと玲香ちゃんを放ったらかしても大丈夫だと思ったこと。1回くらい放っておいてもいいか…と思ったこと。だけどちゃんとした愛を玲香ちゃんに抱いてること。
全然折れてくれない玲香ちゃん。
あーあ、これは大分拗ねてんなぁ
玲香ちゃんを膝の上に座らせてるまいちゅんが
ぼそっと、大変だねって言ってくれた。
大変じゃないよ…大変すぎるよ…
って言いたかったけどそれを言えばまた拗ねるので我慢。
もう、なんでお二人さんの関係を戻すために私が我慢してんのよ
ころころと文句が出てくる
「んぅー、わかなんて嫌いだもん。」
「どんな風に?」
「んー?どんなふうにー?んーと、だって、待ってくれないし、んー。な、んか冷たかったし。そ、それとー。」
「それとー?」
「さ、さみしかったんだもん。」
っと、まいちゅんにぎゅぅと抱きつく玲香ちゃん。
ふと、若月の方に顔をやると、目が合った。目が合ったからこちらの話を聞いていたのだろう。ほのかに顔が赤く、だけど複雑な表情を。
かなと話しているのに全然頭に入ってない様子。
「そっか。でも、若月悲しんでるよ?」
「私の方が悲しんだんだもん。」
「声かけてみたら?」
「もう嫌いだもん。嫌だもん。」
「そんなこといわないー」
「だって…。」
「んー?」
「わ、か最近まなつといる方が楽しそうだもん。」
「え、私のせい?」
「ち、がうもん。」
「違うの?」
「そうだもん」
???
玲香ちゃんの話はよく分からないことがある。
「それにさ、今日だって楽屋はいったとき、わかまなつと楽しそうに話してたんだもん。私なんていらないんだもん。だからあーやって待たなかったんだもん。」
「え、っと…」
「だからもうまいちゅんすきだもん」
まいちゅんがピクっと揺れる。
顔をみると、「(私、巻き込まれる感じ?)」
ちょっと面白くなっちゃった。
「ふふっ」
「いまわらったぁ…」
「違う違うごめんごめん」
「むぅ。」
「で、でもあれだよ。若月はちゃんと玲香ちゃんのこと好きだよ。」
「話そらした」
「ごめんごめん、でも、ずっと玲香ちゃんの話してるんだよ?
今日玲香がさー、
とか
明日玲香とねー
とか
若月は玲香ちゃんのこと好きでたまらないと思うんだよね。」
「そんなのうそだもん」
「だからさ、若月に話かけてみない?」
「んぅ、」
ーーーーーー
若月side
歌番組終わり。楽屋へ歩く。
だけどその足取りは重く、早く玲香と話したい反面話したくない気持ちもある。なんだか自分が分からなくなってきて、はぁ…とため息をつく。
「はぁ……。っ!?」
「わか。」
急に後ろから抱きつかれたのは私の愛しい人物で。だけど今何が起こっているか何も理解ができない。
でも、分かることは一つだけ。
言わないといけないと思うものは一つだけ。
「れ、れいか…その…。」
真夏から全部聞いたよ。なんて言わない。言っちゃったらまた妬かせちゃうもんね。
「私は玲香だけだから。」
背中越しに伝わる玲香の柔らかい身体がピクっと反応する。
「さ、き行っちゃうからもう飽きたのかと思ったもん……」
「んなわけないじゃん。」
「だって…あれはそう思うし。」
「それはごめんって。だけど私は玲香しか見てないよ?」
少し赤くなった玲香が愛おしい。
皆と流れるように楽屋に入り、いつものソファを陣取る。
恥ずかしい…。とふく玲香を無視し、向かい合わせにし座らせる。
皆の目線なんて気にしない。
「私が好きなのは…玲香だけだよ。」
そう言い、玲香の顔を両手で挟み、唇が触れるか触れないかのとこで止まる。
流石に楽屋でするのはやばいから止めたのに…
「んっ」
「れ、れ、れ、れいか!」
「なぁに赤くなってんのぉ?かわいいなぁゆみは」
「…っ!」
こ、こんなはずじゃ!
「今夜は私が頂くからね。」