夢小説

□他所でやって
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可愛い妹から数年後。
※子供有り・息子視点



数日間の船出から帰ってきた父ちゃんを母ちゃんと一緒に出迎えてから数分、俺の目の前でイチャついている両親を見せ付けられていい加減げんなりしてきた。
帰ってきた父ちゃんは出迎えた俺にはただいまと一声掛け軽く頭を撫でただけで、あとは待ちきれなかったとばかりに母ちゃんにべったりだ。
母ちゃんも母ちゃんで父ちゃんに負けないくらい嬉しそうにしてるし…部屋が茹だる様に熱い、父ちゃん頼むから能力の温度を下げてくれ。

「今回は予定より帰りが早かったのねオーブン。」

「ああ、早くお前達に会いたかったからな。」

「ふふ、嬉しい。」

「……はぁ。」

両親の会話を聞きながら小さいため息が出た、父ちゃんが会いたかったのはお前達というより一番は母ちゃんだろう。
俺が小さい頃はそんな事はなかったと思う、幼い俺に配慮してか目の前でイチャつく姿なんて見た事なかったし。
でも最近、夫婦歴も長いからか俺がそれなりに成長して平気だと思われたからか…俺からの視線を気にもせずバカ夫婦っぷりを見せ付ける様になってきた。
息子の俺の前でよくそうもイチャイチャできるな…うわっ、チューまでし始めた…。
イチャつくなら俺が居なくなってからにしてくれマジで。
見せ付けられるこっちの身にもなってくれよ!
見ていて胸の辺りが甘すぎてムカムカしてくる。
お菓子の甘さならいくらでも歓迎だけど、これの甘さは胃にクるから嫌いだ。

もう限界だ、勝手にしていてくれと思い部屋から出ようと扉を開けると、

「…お兄ちゃん、お父さん帰ってきたの?」

「お、ああ…。」

いつの間にか来ていたのか、妹がちょこんと部屋の前に立っていた。
部屋の中を見られない様に素早く部屋から出て扉を閉め、屈んで首をかしげてる妹に視線を合わせる。

「父ちゃん帰ってきたけど…今は行っちゃダメだから。」

「…なんで?」

「なんでも。」

俺だけならともかくまだ幼い妹にあんな両親のバカ夫婦っぷりを見せられない、絶対教育に悪いと思う。
妹の父ちゃん譲りのオレンジ色をしたふわふわの髪を撫でてから、

「父ちゃんにお帰り言うのは後にしよう。」

そう言って妹を抱き上げ向こうでお兄ちゃんと遊ぼうなと連れ出した。

…結局それから父ちゃんと母ちゃんが俺達の所に来たのは30分くらい経ってからだった。

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