SSS
□オーブン夢
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恐ろしい悪夢を見た。
熱いと、止めてと泣き叫んでもやめてくれなかった…オーブンに焼き殺される夢。
「どうした、顔色が悪いぞ?」
大丈夫かとオーブンが心配そうに手を伸ばしてくる。
夢の中ではこの手が、私を焼いた。
でもこれは現実だから。
「…大丈夫。」
自分に言い聞かせるかの様にそう呟いて、オーブンの手に抱き付いた。
熱くない、ただ温かくて優しいオーブンの手。
「……大丈夫だから。」
もう一度そう呟いてオーブンの手にすり寄ると、オーブンそうかと何も聞かずに私の頭を撫でてくれた。