SSS
□モンドール夢
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カリカリカリカリと書き物をしているモンドール様は、今朝からずっと忙しそうだ。
モンドール様が居る同じ図書室内で私も朝から仕事をしているが、ずっとモンドール様の背中しか見えず少しも動いていない様に思える。
モンドール様は朝から休憩の一つでもしていただろうか…否、そんな様子は全く見受けられなかった。
ずっと見ている羊皮紙から少しでも顔を背けた方がいい。
「モンドール様。」
「…。」
「…モンドール様!」
「…あ?どうした?」
二回名前を呼んで、ようやく私に気付いてくれた。
それだけ集中していたのだろう。
モンドール様がこちらに顔を向けて怪訝そうな顔をされた。
「モンドール様、そろそろ休憩されませんか?長時間机に向かってるみたいですし…」
「ああ…もうこんな時間か。」
時計を見ながら気付かなかったなと呟いて、モンドール様が羽ペンを置く。
「確かにお前の言うようにそろそろ休憩でもするか。」
椅子から降りて立ちあがり、モンドール様がぐぐっと伸びをした。