SSS

□オーブン夢
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彼女には俺だけ居ればいいと本気で思う時がある。
他の何物をも必要とせず、俺だけを必要としてくれたらいいと何度願った事か。
この両手にすっぽりと収まってしまう様な小さな妻を閉じ込めて、自分一人だけの存在にできたらどれだけいいだろう。


…けれど彼女は外が好きだ。
空や海を、街を愛している。
外を愛する彼女を強引に俺だけの世界に閉じ込めちまったら、彼女の心は離れてしまいそうだ。
それは何より耐え難い。


…だから。

「…愛している。」

「ん、私も…オーブン。」

せめて…彼女が身を委ねるこの夜の間だけは、俺だけのものにしても構わねぇよな?

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