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□FはフレンドのF
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そんなハプニングを乗り越えて、ぞろぞろと会場の体育館へ向かった。中に入ると、すでに梟谷の人たちがウォーミングアップを始めている。

マネージャーである自分の仕事は、まず梟谷のマネージャーに挨拶。それから、ドリンク作りなどで使う場所の案内をしてもらうこと。



「あ」



マネさんを探していると、見覚えのある人物を見つけた。電話やLINEなどで連絡はとっていたけれど、直接会うのはほぼ1年ぶりだ。

同じ中学の1つ上の先輩だった人。真面目で努力家で、頭も良くて、そして優しくて。2年生でありながら副主将に抜擢されたという実力者。

名前は、赤葦京治さん。

見つけてすぐに目が合い、小さく手を振る。向こうも微笑みとともに振ってくれた。

返事をしてくれたことに喜んでいると、チョップを食らった。攻撃を仕掛けてきたのは、夜久さん。



「なーににやにやしながらあっちの奴に手ぇ振ってんだよ」

「友達だからです」

「友達だぁ!?」



こちらの答えに山本さんが真っ先に叫び、他の部員たちも驚きの声を上げる。黒尾さんは不敵な笑みを浮かべ、研磨さんは興味なさそうに無表情のままだったけれど。



「ふーん。もしかして、中学一緒だったとか?」

「はい、そうです。色々相談に乗ってもらいました」

「ほー」



黒尾さんは怪しい笑顔を浮かべたまま。赤葦さんに変に絡んだりしないか、少し心配だ。

その後、梟谷のマネージャー2人を無事に見つけ、挨拶できた。2人とも3年生で、当然のごとく女子。「男マネなんて珍しいねー」とか、「1人でマネージャーなんてすごいじゃん」などと言われた。恐縮です。

わくわくの練習試合。今日はできるかぎり粗相しないように、気を引き締めて頑張ろう。




続く
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