小説

□Episode1
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予告



幸せの意味を知っている


W一織W


笑顔を浮かべ、私の名を呼ぶんだ


その背中を追いかけ続けていれば

私は幸せへと辿り着ける

そう信じて止まなかった



ーーW着いて来るな!W


そう、信じて


ーーW…どうして…W


止まなかったのに


ーーWお前が弟なんだよ…W



その背中は、夕陽の中に忽然と消えた



Episode1



「まるで本当の兄弟みたいだね」


「……どうして…」


「この名前に心当たりは?」


「…兄さんも…知っているんですか…」


「今まで疑問に思ったことはなかったのかい?」


「…あなたが私の…実の…父親だというのは…本当ですか…?」



「…本当だ」




ーーむかしむかし ある山の奥に
サルとキツネとウサギが暮らしていました


「月の兎かい?」


「…私には…お役に立てる力がありません…」


「…まるで、今の君じゃないか…」


「…っ……わぁぁぁーーーー!!!」



もうーーおしまいだ



「絶望に、終止符を打とう」


「よくも騙してくれましたね!!」


「…ごめんな…一織…」


「君は今、幸せかい?」





ーーこれは、私の物語です



Episode1 和泉一織





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