小説

□Episode2
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予告



これが、最初の手紙だ


〈おとうさんへ〉


俺は褒められるのが嬉しくて

何度も手紙を書いた


何故か家にいることが少なかった親父に

その日の出来事を報告するように


〈今日、テレビを見たよ〉


最後に書いた手紙は


〈俺とお母さんの方が、嘘だったの?〉


宛名のないその手紙は


〈もう、何を信じていいか分かんないよ〉


いつまでもいつまでも

俺の心の奥隅に引っかかっている



Episode2



「…どうして…」


ーーさぁ、手紙を書こう


「大和さんの音声が、マスコミに売られたんだよ!」


ーー今まで渡せなかった手紙の分まで


「これが君の望みだったんだろ?」


ーー宛名は?


「千葉志寿雄が監禁されてるんだって〜?」


ーーDear...


「IDOLiSH7を…辞める?」


ーーあの人に?


「…オレは…何も…できなかった…」


ーーそれとも


「大和」


ーー親愛なる彼に


「親父!!おやじぃぃぃぃーー!!!」


ーーDear...


「どうか…許してあげて」


「俺のことも…許してくれますか?」





ーーこれは、俺の物語だ



Episode2 二階堂大和





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