Book1

□私の恋人
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ナヨンside


『これ、おいしいけど辛い!』


なんでこんな辛いん??
なんて目の前でワーワーゆってる
私の恋人。



「モモ、涙目になってるよ」



私がそう言うと、
オンニは辛くないん??
なんて聞いてくる。



「私は平気だけど」

『やっぱ韓国育ちは強いわぁ』



水をゴクゴクと飲んでモモが言う。

そう?なんて誤魔化したけど
たまにこうやって国の違いを感じると
なんとなくさみしくなるの。


『オンニ、おいしかったね〜』

「うん、そうね」

『日本にもあればいいのに、あの食べ物。辛いけど結構はまるなぁ』



帰り道、上機嫌なモモ。

もっと私が育った国を知って欲しくて、もっと私色に染まって欲しいなんて考えてる事バレたら困った顔するのかな。



『オンニ、今度のオフ日本にでも行かない?案内するで』



そんなこと考えてたら
モモが私の手をとって
嬉しそうに呟いた。



「うん、楽しみにしてる」



そう言うとニコッとした
モモが可愛くて、
モヤモヤした気持ちが一気に晴れた気がした。



『もっと沢山教えてよ、オンニのこと』

「え??」

『心配せんでええよ、少しずつ知っていけばええやろ?』



私の気持ちが見えてたかのように
ぎゅっと手を握る力を強くしてくれて。

好き、が先回りして
焦ってしまう私を簡単に包んでくれる。



「ありがとう、モモ」



生まれた場所が違うとか
育った場所が違うとか
そんなのどうだっていい。

”好き”で繋がった、
たった1人の愛しい人が
私の隣にいてくれるから。




END.
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