Book1

□タヌキかリスか
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モモside



『…あの、モモおんにぃ〜』

「…なん」


話しかけんといて。


今、拗ねてんねん。



『…怒ってますか?』

「…見ればわかるやろ?」



しょぼん、としてる
ダヒョンを頭に浮かべると
罪悪感がこみあげる。


大体、
こんな事で怒りたくないねんけど。
ダヒョンの事になると
些細なことでも気になるんよ。



『…モモおんにが一番ですよぉ〜』

「嘘。さっきリスが好きってゆうたやん、」

『や、あれはリアルな動物の話じゃないですかぁ、…』

「…言い訳するん??」

『うぅ、ごめんなさい…』


さっきメンバー達と話の流れで
動物ではタヌキorリスどっち派?
って話になって。


一応ワンスの中では
タヌキはモモ。リスがサナ。
ってなっとるからダヒョナもわかってるだろうと思っててんけど。


『…あのぉ』



ダヒョンがまた何か言いかけたその時。



ガチャ。



サナ「ダヒョナ、携帯リビングに忘れてたで?」



このタイミングで
リス。


あ、いや。
さーたんが。



『あ、ありがとうございますぅ…』

サナ「…何?喧嘩したん?」

『いや、ちょっと取り込んでるのでまた明日!』

サナ「…ちょ、ヤァ!ダヒョナ、こらっ…」



珍しく無理やりさーたんを
追い出したダヒョナと
目が合う。

気まずい沈黙。



「…ほんとはさーたんの方がタイプだったんちゃう?」

『…何を言ってるんですか、おんに』

「やけど、モモが告ったから仕方なく付き合ってるんちゃうの?」

『いい加減にしてください、おんに!』



今まで聞いたことない
ダヒョナの強い口調。



『…タヌキより、リスより…私はモモおんにが好きなんです』




そう言ってぎゅっと抱きしめられた。
普段ならこんなセリフ
きっと笑っちゃうけど。


今は素直に嬉しくて。




「…あほ、…ダヒョナのばか」

『…すみません、』

「…ううん、冗談だよ」



素直に謝ってくる
ダヒョンがかわいくて。
罪悪感もおそってくる。



『…おんには、唯一無二なんです。』

「…ん?」

『モモおんにだから、好きなんですよ』



そんなかっこいいこと
言っておいて、
恥ずかしくなったのか
顔をぐりぐりと肩に押し付けてくるダヒョナ。

ほんま、可愛い。



「…ダヒョナぁ、」



ごめんね、って言ったら
こちらこそごめんなさい、
なんて言ってくるダヒョナ。



私にとっても
ダヒョナは唯一無二なんやで?





END.
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