Book1

□アイス
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サナside




シャワーから出て
リビングに入ると、
大好きなジヒョちゃんが
アイスを食べていた。



「…ジーヒョーちゃんっ」



後ろから近づいて
名前を呼ぶと
ピクッと動く肩が可愛い。



『あ、サナ』

「…サナがシャワー浴びてる間にアイス食べてたの?」



ジヒョちゃんがかわいくて、
わざとちょっと拗ねたようにそう言うと、


ごめん、待たなくて。
なんて恥ずかしそうにしてる。
ほんまかわええなぁ。



「じゃあ、サナにも頂戴?アイス」

『うん。何味がいい?…』



冷蔵庫にアイスを取りに行こうとしたから、慌ててジヒョちゃんの腕を掴む。



『な、なに?』



いつも以上に目をまん丸くして
私を見るジヒョちゃん。



「…サナは、ジヒョちゃんが食べてるアイスが食べたいんだけどなぁ」

『えっ?…これ?』



もう、ほとんど食べちゃったけど…
なんて言って私に手渡す。



「…えへへ、おいしい」



ジヒョちゃんの味がする、
なんてからかうと
顔を赤くして腕を叩いてくる。



『…全部食べていいよ?私、ほとんど食べちゃったから…』

「ううん、だめ。順番に食べよ?」



ジヒョちゃんは
いまだに間接キスでも照れをみせる。
そんなとこが可愛くて仕方ないねんけど。

中々その先に進めんくて
困ってるのも事実。



『…サナ、なんか恥ずかしいよ…』

「ただアイス食べ合いっこしてるだけやんか〜」



もじもじしてるジヒョちゃんが
可愛くてわざとからかってしまう。



『…でも、サナと食べるとさっきよりも美味しく感じる』



間接キスよりも
そのセリフの方が恥ずかしいんちゃう?なんて思うけど。

そんな可愛いこと言われたら、
たまらんやんか。



「ジヒョちゃん、かわいい」

『サナの方が…』

「あ、ジヒョちゃん付いてるよ、ここ」



そう言ってキスをした。

顔を離すと
顔を真っ赤にして
びっくりした顔のジヒョちゃん。



「えへへ、ジヒョちゃんイチゴの味」



そう言うと、
さっきよりも強い力で
パシッと腕を叩かれたけど。



『サナとおんなじ味』



そんなこと言って笑うジヒョちゃん。




私だけのジヒョちゃん。




END.
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