Book1

□ゲーム
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サナside




「…みーたん、」

『…後もう少しやから、待ってて』




私の大好きなみーたんは
さっきからゲームに夢中。

画面の中ではマリオが
ぴょんぴょん飛び回っとる。



『あともうちょっと』




まさか、サナの人生の中でマリオに嫉妬する時が来るなんて。

最初は一緒になって
ゲームしとったけど。



恋人とおんのに、ずっとマリオはないやろ!




「…みーたんは、サナよりマリオが好きなん?」




そう言うと、
みーたんの肩が一瞬びくっとなった。




『ちゃうで。さーたんが好き…』

「好きならもうやめて?サナとの恋がゲームオーバーになるで?」



さむっ。
なんて思ったけど、
みーたんは今までのゲームの粘りはなんだったのかと思うほどすんなりとテレビを消した。




『嫌や…さーたんごめん…』



しょぼん、
とするみーたんをみて
ちょっと可哀想になったけど
めちゃめちゃ可愛い。




『さーたん、今日は映画みる?』




あれからというものの
みーたんはスパッとゲームをしなくなった。


前まではちょっと時間ができると
よくしてたのに。




「…うん。今日もゲームしないん?」



あの時はあまりにもゲームに夢中やったから、サナからやめてって言ったけど。

こんなにもやらなくなると流石にかわいそうかな、なんて思ってきて。




『今、クリアしてんねん』




はい??
なにを??



『1日ゲームやらん、これでさーたんとのゲームクリアやねん』




名井さん、何をゆうてるん??




『決めたの、あの時もうさーたんの事悲しませないって。…さーたんとゲームオーバーになるの嫌やし…』




まじめにそんな事言うから
可愛くて仕方なくなる。




「…みーたん、可愛い」




思わずぎゅっと抱きしめた。
控えめに私の背中にそっと腕を回してくるみーたん。




「ゲームオーバーになんかさせへんから、安心してや?」

『えへへ、』



やっぱり
マリオよりさーたんやな。


なんて言うから2人で笑った。




これからもそばにおってな?





END.
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