Book1

□あんたのせいで
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ナヨンside




『ナヨンおんに、香水変えた?』




ソファの隣に座るジョンヨンから
指摘される。




「…うん、よく気づいたね」

『だって、おんにいっつも良い匂いするから』



そんな嬉しいことをさらっと
言ってのける。




「そ、そう?」

『うん。…好きな人でも出来たの?』




ちらっと、目が合う。
ほんとにあんたって鈍感よね。


あたしが香水を変えたのも
いっつもジョンヨンが良い匂いするって言ってくれてたから。



あんたが、気づいてくれるかなって思ったの。




「…できてないわよ、」




私がそう言うと
ふーん、なんてスマホに目を戻した。



私が好きなのは
あんたなのに。




モモ「ナヨンおんに〜、これ買ったんですか〜?!」

「あ!モモや、勝手に…!」




モモが持ってきたのは
”キスしたくなるティント”




モモ「だって、オンニの部屋に行ったらあったから〜」

「はいはい、今度モモにも買ってあげるから」




そう言うとハイテンションで
戻っていったモモ。
まんまと作戦にのせられたわね。




『…やっぱり、好きな人できたんじゃないの?』




ふぅ、と一息ついたら
ジョンヨンが口を開いた。




「…だから、できてないって」

『そんなん買って、キスする相手でもできた?』




なんで、
私のシグナルはあんたに届かないの?




「…ジョンヨンのせいよ」




言ってしまった。




「…香水も、ティントも、全部大好きなあんたの為。」

『おんに?…』

「あんたに可愛いって言ってほしくて、綺麗になったって言って欲しくて…それで…」




ぎゅっと包まれる
ジョンヨンの温もり。




『…おんに、ごめんね。』




優しいあんたの声が
私の一番好きな声。




『おんにに、先に言わせちゃった…』

「え??」

『おんにの事ずっと好きだったから、つい、不安になっちゃって。…本当は先にナヨンおんにが好きだって言いたかったのに…』




さらにぎゅっと
力を込めて抱きしめてくれる。




『…おんにが、ナヨンおんにの事が大好き』




誰にも負けないくらい。
なんて付け足すから。





「私も、誰にも負けないくらいジョンヨンが好きよ」






END.
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