Book1

□不器用でごめん
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モモside






サナと喧嘩した。





もう一週間も口聞いてへん。





ダヒョン「あぁ!サナおんに、それ私のお菓子〜」

『…ひゃっ、ひゃ、ダヒョナ可愛い〜』





遠くでわちゃわちゃしてる
サナの声が聞こえる。

あぁ、いらいらする。





ジョンヨン「モモや、いい加減仲直りしたら?」





隣で寝そべるジョンヨンが
私の様子をみてそんな事を言ってくる。





「…仲直りも何も、勝手にキレられただけやし…」





ある日の撮影の合間

暇だったからナヨンおんにと話してて、
写真とろう、ってなったから
おんにと手を繋いでポーズを決めようとしてたところをサナに見られた。






『…モモりんは何人彼女おんの?』






その日の夜、
突然部屋に入ってきた
サナの一言目がそれ。






「…何人、って。サナだけやんか」

『口ばっかり。』

「…今日ナヨンおんにと手繋いでたから?それは、今までもしてた事やろ?メンバー同士で」

『少しくらい拒んでよ!』

「…そんなん、サナだってしてるやんか」

『…モモりんと付き合ってからはしてへん、手繋ぐのだって、ハグだってモモりんとしかしてへん』





あの時は疲れとか
色々積み重なって
自分も冷たくなっていた気がする。






「…そんくらいで妬かれたら、なんもできんくなるやろ」






スイッチが入ってしまった。







「…サナが初めて友達と水着きてプール行くゆうた時も、本当は最初にサナの水着姿見たかったけど我慢したし!ダヒョナにハグしたり、すぐ誰かに甘えたりしててもなんも言わんかったやろ!」

『…サナは言って欲しかった!全部、なんで妬いてくれへんのやろって思っとった!サナのこと嫌いなんかなって!』






もういい。





”めんどくさい”






思ってもない事を
たったその時の感情で
サナに言ってしまった。





バタン、と勢いよく
扉を閉めたサナ。





あの日以来口を聞いてない。






ジョンヨン「ほんとは自分でも、言いすぎたって思ってるんでしょ?」

「……そうやけど」






あの日からずっと
イライラとモヤモヤが止まらない。

後悔してるのに、
謝ればいいだけなのに、
なんか分からへんプライドが邪魔をして言えへん。





ジョンヨン「そうやけど、じゃなくて。そう、なんでしょ?」

「…うん、」

ジョンヨン「サナが他の人に取られたらどうするの?」

「嫌や」





じゃあ早く行きなさいって
肩を叩かれる。





「…はぁ、」






こんなドキドキしてんの
いつ振りやろ。



サナと付き合った時以来かな。
なんて、
私の頭に浮かんでくるのは
やっぱりサナで。





私がリビングに行くと、
サナとミナ、ジヒョが居たけど
気を遣ってくれたのか
2人は部屋に戻ってくれた。






「…サ、サナ」





なんて話しかけていいか
分からんくて、
名前を呼んだ。






『…なに、』






久々に私に向けられる
サナの声。

チラッと目が合う。






「………ごめん」






それしか出てこなかった。





『……めんどくさいんじゃなかったん?サナのこと』






泣きそうになってるサナ。
こんな弱い顔、初めてみた。






自分が。
大好きなサナに
こんな辛い思いをさせてしまった。





「…あんなん、嘘や。ごめん、サナ」






思わず抱きしめた。
華奢なサナから伝わる
あったかい体温に涙が出そうになる。





『…サナも、我慢できへんくてごめん…』

「…謝らんでよ、我慢なんてする方がおかしかった…いっつも知らん間にサナの前ではかっこよくいよって思って、妬いてへん振りしとった…本当はサナと同じくらい嫉妬してたのに」






強がってばっかだった。
サナの前ではいつも。






「…サナがいないと、なんかちゃうねん。何してても楽しくない」

『サナも。モモりんが居らんと、なんか変やった…』






体を離すと、
頬にうっすらと涙の跡がついた
サナと目が合う。





「…泣かんで、」

『…誰のせいやと思ってるん?』

「…ごめん、」






もう泣かせないから、
そばにいて欲しい。





不器用で、ごめん。







『もうええから、…サナのこと泣かせた罰として今日は一緒に寝てくれる?』

「そんなん、罰になってへん。むしろご褒美やんか、」





そう言うと、
サナが嬉しそうに笑った。



つられて笑顔になる。




「もう離さんから」





約束やで?






END.
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