Red velvet

□恋煩い
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イェリside






宿舎に帰るとスルギおんにが
誰かと電話していた。







「あぁ〜、今度行こうね〜!うん、調べておくから」








私に気づくと、"おかえり"
と口パクで合図をしてくる。


 

嬉しいけど、なんだかもやもやして
気付かぬふりをする。







「うん、あ、ちょっと用事あるから切るね!またねー!」








キッチンでお水を汲んでいると、
私の様子を伺いながら近づいてくるスルギおんに。







「…ヤァ、イェリム、おかえり」

『うん、ただいま』








心配そうに眉毛を下げながら、
私の機嫌を伺ってくる。






「…怒ってるの?」

『なにが?』

「いや、なんでもないけど…」

『…怒ってないですよ、別に』








お菓子たべる?ゲームでもしよっか?
とニコニコなおんに。





はぁ、私なんでこう素直になれないんだろう。








『…ちょっと、疲れてるからもう寝ます』

「え?もう寝るの?」

『…』







しょぼん、としてるおんに。    


こんな意識してるの私だけだもん。





おんには私のこと妹にしか思ってない。







「…イェリや、」








ベッドに入って暫くすると
スルギおんにが部屋に入ってきた。







「…寝てるの?」

『…』

「……起きてるんでしょ、あんた」

『…寝てます』

「…起きてるじゃん…」

『なんなんですか、おんに』







私のベットの端に腰掛けたおんにの
背中を見ながら、綺麗だなと思ってしまう。





あぁ、私なに考えてるんだろう。







「…元気なかったから、心配で」







お願いだからそんなに優しくしないで。








「…イェリと食べようと思って、お菓子もとってたのに。体調悪いなら、おんに薬持ってくるよ」

『…ちょっと、待ってください』

「…うん?」







思わずスルギおんにの袖を引っ張った。







「…どうしたの?イェリ」

『…体調悪いんじゃなくて…その、…』

「…何よ、もじもじして」

『…おんにが楽しそうに電話してたから、なんだかモヤモヤして…嫌だった…』

「え?…」








あぁ、言っちゃった。







『…ってのは嘘で、その…』

「…嘘なの?」

『…うん、』

「…おんにはイェリの目を見たらなんでもわかるよ、あんたが嘘つかないって事も知ってる」

『…じゃあ、聞かなかったことにしてください』

「本当に素直じゃないね〜」








ポンポンと頭を撫でられる。



それだけで高鳴る私の胸。








「…そんな所も好きだけどね」








あぁ、ずるい。






スルギおんにってずるいんだ。
いとも簡単に私の心を奪っていく。



  



「眠れるまで側にいるよ」







私は今日もまた、
おんにに惹かれていく。








END.



◎初のレドベルちゃんです!妹イェリムがスルギちゃんに恋をするお話でした。
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