小説 長編集.3

□今日という日。/*
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「んっ…、ん、」

いつもより甘くて蕩けそうな声。
しがみついて剛が強請ってくる。今日は、今日だけは早く帰ってこい。

昼間別れる前に本気で言われた。

なんとかする。とは言ったものの少し不安だったけれど。思ったよりもちゃんと、仕事は終わった。

だからか。
剛もご機嫌で。

えっちの時なんて、珍しくアロマでお香を炊いてたくらいだ。照明と誘い方にも拘ったのか、久しぶりにえっちなパンティも身に付けて。

繋がった今はもうレースのパンティは汗と精液でぐしょぐしょだけど。それがまた、色っぽい。脱がしてる余裕もなくて、バックの紐ずらしただけの繋がり。
それが余計卑猥なのだ。

「あ、あぁ、ん…っ」
「ふ、…きもちい?」

柔く腰を揺らして、奥を穿つ。
背を逸らして剛が涙を溢した。荒い呼吸を整えながら上体を起こして剛を見下ろす。うっとり俺を見ながら、剛が手を伸ばした。

「ふふ、泣くほどええの?」
「ん、…いい…っ、」

怖いくらい今日は幸せなの。
剛が呟く。また、むくりと熱が膨らむ。

剛の手を取ったら、抱き付くように起き上がってきた。

「ん、…っ、ぼく、うえ、…っ、」

珍しくお馬さんまでしたがる。にゅるっとペニスを抜いたあとは跨って、自ら押し込む。そのあとはいやらしいくらいの手つきで、パンティの横紐を解く。

絶景だ、こりゃ。

ずぷずぷと、緩やかに飲み込んだあとは剛の一番好きなところで動きを止める。少しずつ身体を上下に揺らして。
剛の性器を飾る、リングが揺らめいた。
短く垂れた二つのチェーンがシャラシャラと音を立てて赤と青の宝石が煌めく。

絶景すぎてくらくらする。

「ふふ、これ、自分で付けたの?」
「ん、…っ、あ、ん、あん…っ」

こくこくと頷くから、その先端を優しくなぞる。なんで?って聞いても可愛いから、しか答えないけど。
本当に可愛い思ってなのか、見せ付けたかったからか。どちらにしてもご機嫌なことに変わりは無い。

前にプレゼントしたスネークを模した飾り。
結構お気に入りらしい。
たんたん、と腰を揺らして尻を打ち付けるたびに宝石が煌る。

「ふふ、ええなぁ、」

眺めも最高。
腰を支えながら気持ちよさそうに喘ぐ剛をみつめた。ぐっぐっと、内側に力を込めて前のめりになったあとは剛の身体が痙攣した。

「ん、…っ、あぁ、あ、あぁん…っ、あ、ん、」

剛の一番好きなところ。
腫れたしこりにペニスが当たる感覚。わざと腰を突き上げたら、ひっと叫んで天を仰ぐ。

「や、やぁ…、きゅ、っうに、…っ、」

逃げる腰を抑えて、さらにぐりぐりと掻き回す。

「ん、ぁ、あ、あぁ…っ、いちばんおく…っ、光ちゃん、光ちゃん…っ、」

甘えた声に、顎を伝う唾液。
目の奥が蕩けて、ハートが舞う。

狭い入り口を見つけたらもう限界だ。勢いよく起き上がって今度は俺が剛を押し倒す。足首を掴み上げて、そのまま何度も腰を打ちつけた。

ゆっくりと引き抜いたら、剛の肉襞がきゅっと締め付ける。内圧の強さに逆らって今度は奥まで抉る。下腹部が僅かに蠢く。

「すげぇ、エロいな、今日、」
「あ、…っ、あ、ん、あん、…っ、」

こんな興奮する剛は久しぶり過ぎて、こっちがハラハラしてしまう。
焦点の失った視界を覗き込むけど、ぐずぐずに甘えてくるからやっぱりあっという間に理性はぶっ飛ぶ。

精巣がのたうつ。
目の前が真っ白に弾けて、一番狭い入り口をこじ開ける。そのまま一気に発射。
それと同時に剛も迎える絶頂。

びゅくぅ、と内側に吐き出しながら何度も腰を揺らす。

「ひ、…っあ、あぁ…っ、ん、んん〜〜…………っ、」

びくびくと震える剛の身体。
くっ付いてキスをしたら無意識か、舌を出した。食むっと噛み付いて上顎をなぞる。
お互い迎えた絶頂の後でも、長い余韻に溶けて。唇と舌を吸い合う。

堪能したあとはゆっくりと離れる。
ペニスを引き抜いたら、ぼんやりした剛がもぞっと身体を反転。
うつ伏せになったと思ったら枕を抱えて、そのまま尻を高く掲げた。

「、ん、…もいっかい、…っ、」

尻たぶを自ら掴んで孔を拡げる。
くぱぁと、拡げられたそこでピンクの肉襞が丸見えだ。
思わず生唾を飲み込む。こぷっと溢れる精子がまたいやらしいこと。

「…っ、」

垂れる精子をペニスの先端で掬いながらまた、緩やかに押し込んでいく。

こんなに激しく愛し合ってるところ見られるのは流石にちょっと嫌だな。
ぼんやりと冷静な自分が語りかける。

ーーーfinーーー


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