黎明の章

□〜遠夜〜
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■歌の君へ■


春されば まづ三枝の
 幸くあらば 
後にも逢はむな恋ひそ吾妹

 月読の一族――闇の一族――明るいところから暝い場所へと流るる水の属性。

 ワギモ…。

 言の葉にのせて、遠夜は零れ日煌めく空を見上げた。

 光は憧れ、でも眩しく強烈――。

 でも恋しくて。

 ワギモはあの光の中に今いるような気がする。

 だから恋しい、あの零れ日――。
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