愛しい吸血鬼

□前篇
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私立黒主学園 宵の刻ー月の寮 前

「デイ・クラスの皆さんはもう門限ですから、自分の寮に帰って!」

全寮制の名門校 黒主学園には
普通科・・・デイ・クラスと
夜間部・・・ナイト・クラスがある

普通科と夜間部は 昼と夜を分けて1つの校舎を共有してクラスが入かわる夕方のこの時間はいつも混乱状態になる

ガシャン

ざわっ…!!

きゃあっ… あれ…!

普通科の生徒が毎夕、大騒ぎする理由 それは
ナイト・クラスがエリート集団であり、美形の集団だからだ

「おはようーっ 女の子たち♡今日も元気で可愛いねぇ」

きゃっ… きゃああああっ!!!

「ア゙!! ぶっ「大丈夫かい?優騎 いつもご苦労様」…枢センパイ! はい…大丈夫です!」

「君はいつも僕にかしこまっているね 少し寂しいな…」
「あっ…いやっ…だって!枢センパイは、オレの命の恩人ですからっ」

この人は玖蘭枢。
夜間部のクラス長で、〘月の寮〙の寮長。
そして十年前の雪の日のオレを助けてくれた内の一人である、男の子。

「もう、気にしないで。そんな昔の事…」

ぐい

「授業が始まりますよ。玖蘭先輩」
『枢ー 授業始まるよ…あ、優騎くん!おはよう』
「麻織センパイ!おはようございます!!」

彼女、麻織センパイとは、一条麻織。
夜間部の副クラス長で 月の寮の副寮長。
そして彼女も、十年前の雪の日のに助けてくれた、もう1人の女の子。

「恐いね、風紀委員さん」
『もー、枢そんなこと言わないの!』

「いっ、一条さん!!あのっ、これ受け取って下さいっ」
『…?ありがとう』

なっ!あの男オレの麻織さんに…

「…お前が麻織先輩に、好意を持とうが俺には関係ないがわかってるだろうな?」

う゛っ
こいつは、錐生零
もう一人の風紀委員で相棒だ

「わかってる、麻織さん達ががオレ達とは違う存在だってこと」

見目麗しい彼ら夜間部は、ただのエリート集団じゃない
普通科の一般生徒が知らない秘密
彼らナイト・クラスは全員 吸血鬼(ヴァンパイア)

一方、オレたち二人は

「てめーら!とっとと寮に帰れ!
キャーキャー騒ぎまくって苦労させられるのは誰だ!?ええ!?」
「遅刻しといて 偉そうにしてんじゃねー!アホっタコっ」

風紀委員とは仮の姿……
真の姿は学園 守護係(ガーディアン)

ナイト・クラスの秘密を守るための保安要員だ
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