愛しい吸血鬼

□後篇
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「来た」「来たぞ…」
「玖蘭枢……」

「攻撃していいんだな」
「いや待て 自分は上から共喰いにさせると聞いてる」
「上!?夜刈か?だが 侵入を許さないことが俺たちの仕…」
「来…」

「玖蘭当主を敵と認識する!」
「迷うな 仕事をしろ!」
「!」「!?」
「うぅ…」
「ごめんね… 貴方たちに協力してもらわないと、僕はここには入れないから…

……そうか… ここは彼女の 親金 が眠る場所_____」

「捕らえろ ブラッディ・ローズ」
「…ブラッディ・ローズ」

そうやって…

「…ああ、そうだあんたは……」

あんたはいつも従わせる側だ

「こいつの古い知り合いだったんだっけ…」
「その昔… 親金から最初に僕が作ったものだ」

あんたの不気味な歴史
どれも もう関係ない_____

「今は… こいつの主は俺だ
そして俺の主も…俺自身だ
ブラッディ・ローズ… そいつの血を吸い尽くせ」
「零… 君が僕の武器とならないなら
僕はここで君にやられるわけにはいかない」



「…なんだい凍りついて、吸血行為なんて見慣れているだろう」
「……」
「まさか枢くんと白蕗更の共喰いを待ってるわけじゃないよね
だったらまず、協定破りの侵入者を拘束しなさい
自分の仕事を思い出せ!!」

「仕事を思い出さなきゃいけないのはあんただ 協会長
純血種を次々とこの本部に匿って____
特に白蕗更… 少なくとも闇血液錠剤の件だけでも、警戒しなければならない相手だ」
「ああ…わかっているよ……
でも扇動して皆の任務を忘れさせちゃいけないよ、君自身の任務も」
「……」


「キリが無いな _____なぜ力の源になる純血種の血が 毒はとも言われるのか…
それは誰の中に在っても その血の主は純血種だから
忘れるな、君はねじ伏せ慣れたつもりだろうけれども君の中にも 僕の毒が」



「瑠佳さん… 架院先輩……」
「傷をえぐってまで… どうして大人しく眠っていてくれないの……」
「俺が止める」
「暁…」
「どうして…って、簡単だ
行かないといけないから、あの人たちの所にオレが」

「暁ダメ、怪我させないでっ」
「わかってる」
「_____オレが行くから、だからもう瑠佳さん自分を解放して
瑠佳さんの優しさにつけ込んでるあの人を…… オレたちに返してください」

ピシッ

「「「!」」」
「錐生くん、もう充分だろう?」
「…っ」
「瑠佳…!」
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