イシスの姫

□イシスの姫 T
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『第十八王朝から、墓盗人より守るため王の墓はこの地に秘密に埋葬されたんだよね』
「えぇ!今世紀に入って、七十いくつかの王の墓が発見されたけど どの墓も墓盗人に荒らせ無事に発見されたのは、ツタンカーメン王の墓ただ一つしかないんだから」
「そのとおり、さすがわが弟子達!」


「エジプト新聞です!」「テレビです!」
「あ 待ってください取材はあとに!」
「関係者の方だけです!」
「あ、ロディさんネフィ嬢 ブラウン教授!カイロ博物館長です」
「カイロ大学の博士…」

『すごい人だよキャロル、ジミー』
「うん、普段なら静かな谷なのに」
「なんか、変な感じだわ」

「さぁ、3人とも入るわよ」
「用心してください、教授」
「わかっとる、わかっとる♡わしが一番のりじゃ、おぉ感激じゃよ」

『次、私はいる!』
「わたしも!」
「いかん、アセト キャロルぼくだ!」


「おじいさん 気をつけてよっ」
「ばかものーっ 年はとっても孫のお前には負けんわい!」
「中は漆黒の闇ですよ」
『ふ〜ん 絶壁の割れ目が今日まてま発見されなかったのか…』


ー気の毒な王よ…
ー三千年のやすらかな眠りを他国者に… いま破られるのか……

ー…王の墓を開く者どもよ……
お前達のうえに……いつか………
王家の呪いがふるぞ……

ー王家の呪いがふるぞ……

『ん… なにか言ったキャロル、ジミー』
「いーえ」「いーや」
『あ、次は私とキャロルが入る』
「いかん 2人はぼくのあとだ」
『むーっ!ジミーってば、いつも邪魔ばかりして!!』

「ほら、アセト手をかせ」
『?』「!(ジミーったら素直じゃないわねー)」

「すべるから、足元に気をつけろ」
『ん』

ピッチョーン

『ヒェッ』
「アセトどうしたの?」
『つ…冷たい ビックリした水だっ』

「おじいさん、階段はどこまで続いているんだい」
「うーん、これは深いぞ」
「いままでの墓の作り方とは違うわね」
「まだ下へと続いているぞ!」

「もう地下五十メートルは降りたわ、ねぇ アセトめずらしいお墓の道ね」
『うん、変わっているなぁ』

「ふ〜む、自然の洞窟を利用したんですねぇ」
「めずらしい… うちの博物館の記録にもありませんよ」
「でも、空気はキレイですなあ」

あっ、ロウソクの光がゆれるからどこかに空気の流れ込む穴があるんだ!

「もうそろそろ、地下百メートルは降りましたわ」

『この道… 古代エジプト人が閉ざした時から三千年…… 誰も通ったことはないんだ
王を葬った人々が祈りを込めて立ち去ったこの道…三千年の時間を経ていま…… 私たちが通っている
古代の歴史を調べるためとはいえ……
王の墓を発掘することは、死者を冒涜しているんじゃ…
考古学のためとは言っても……
ねぇ、姉様』

「いいえ、アセト。王を墓盗人から守るためよ 明快なる解答よ」
「あれ、いきどまりだ!」
「えっ、いきどまり」

「四方が壁だ」
『ほんと、いきどまりだ』
「隣に空洞がないか調べてみろ」

「どこにも出口はない」
『なんにもないとは、ナンノコッチャ』
「王の墓ではなかったのか!」
「いや、確かに入口には王印が押してあったぞ!」

なぁんにもない…
「わーっ 床が!」

「博士、火が消えた!」
「きゃーっ、兄さん!」
「キャロルー!」
『姉様ーっ』
「アセトーっ」
「懐中電灯はどこだっ」

「いやーっ、真っ暗こわいっ」
『キャ キャロル!離してーっ!!』
「アセトーっ」
「な なんて声出すんだい、キャロル」
「だ だってここは三千年もの間、闇の中だったのよ恐ろしいわよ!」

「あ、教授あれは お……」
「な なんとあれは………」
「あれは……!」

きらめく古代の黄金…
黄金の像… 黄金の調度品、黄金の人型棺 黄金の…部屋!

「おお、墓盗人から守るために密閉されていた床が… 幾千年の間にゆるんで……」
「われわれの重みで落ちたんだ!」
「おおーっ!発見したぞ、これこそ王の玄室だ!!
王のミイラを納めた黄金の人型棺が、安置されているわ!!」
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