愛しい吸血鬼

□前篇
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はるかな昔から歴史の陰で
吸血鬼VS人間の闘争は続いてきた

その陰の歴史を知るのは、国の要人などの限られた人間だけ

―――だが、恐るべき〘吸血鬼〙の存在は事実なのだ

普通科が知らない、この学園の大きな秘密は


in 理事長室

「納得いかない」

そんな吸血鬼を 夜間部の生徒として学園に迎え入れていることだ

「俺たちの役割って芸能人の出待ち警備でしたっけ 理事長!」
「いやー大変だよね
毎夕毎夕、ご苦労さま!」
「大変だってわかってんなら、風紀委員の頭数そろえてくれアイツちっとも役に立たねーし」
「いつも出待ちに遅刻したり、サボったりするヤツに言われたくねーー!」

「無理だね
デイ・クラスとナイト・クラス……
共存させる為に守護係はとても重要なんだ
君たち二人にしか、任せられない
…まぁ…雑用ばっかだし、徹夜だし憎まれるし、報われないし、イヤな役目だけどね…
でも、可愛い義息子達にやらせるなら、ボクも心が痛まないし」

バキッ!

「確かに あんたには世話になったとも、だがあんたの義息子になった覚えはない!」
「錐生くんって、ホントに細かいよね」
「おい優騎お前は本当に、黒主理事長の 義息子なんだから、なんか言ってやれよ」
「うーん…… でも…夜間部はそれなりに、普通科とうまくやってると思うし
オレは協力できて嬉しよ」

「何ていいコだ!オトーサンは、うれしいよっっ
ボクの平和主義を、理解してくれる人間は優騎だけだよ…!ボクはね!?
大昔から闇で繰り返される人間VS吸血鬼の争いに終止符ピリオドをうちたいんだっ!
そして、若い 彼ら に柔軟な心と持ち前の頭の良さで、2つの種族の架け橋になってほしいんだ!!

そのための教育…!
そのためのナイト・クラス……!」

「見回り行ってくる 優騎あとはまかせた」
「あ゛っ」

パタン

「…まあねぇ…錐生くんの言いたいことも、わかるんだよ…
吸血鬼の皆さんの中には、人を襲うおっかない吸血鬼さんがいるのも事実だから
もし、夜間部の正体がバレたら、大騒ぎになるよね…」

「麻織センパイと枢センパイは違いますっ!!あの人達みたいな、正義の吸血鬼だっているんですからいけます!平和主義!!」

バンッ!

「優騎…」
「だいじょーぶです理事長!
オレたち守護係に任せてください!!」
「うんうん」
じ〜〜ん♢

「いってきまーす」
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